| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 105:小腸内視鏡検査が診断確定に有用であった腸リンパ管拡張症の1例 |
| 演者 | 堤 英治(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学) |
| 共同演者 | 中原 和之(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 田村 文雄(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 桜井 宏一(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 田中 秀紀(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 松本 浩一(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 村尾 哲哉(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 尾上 公浩(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 野中 康一(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 牧 曜子(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 石井 将太郎(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 佐々木 裕(熊本大学大学院医学薬学研究部 消化器内科学), 末松 美紀子(井病院) |
| 抄録 | 症例は49歳男性。10年前よりDMや浮腫、低アルブミン血症、胸水貯留のため近医入退院を繰り返していたが、原因不明のためアルブミン投与等の対症療法にて加療されていた。平成19年1月に労作時の呼吸困難感と全身浮腫の増強のため、胸膜癒着術を施行された。各種精査を施行されたがやはり原因特定には至らず、精査加療目的にて同年7月当院へ紹介入院となった。入院時血液検査所見ではTP 4.4g/dl, Alb 2.3g/dlと著明な低蛋白、低アルブミン血症を認めたが、蛋白尿や腎機能障害はなく、ネフローゼ症候群は否定的であった。腹部造影CTでは小腸壁に軽度のびまん性浮腫性変化がみられた。また99mTcヒト血清アルブミンシンチグラフィーでは有意な所見を認めなかったが、α1アンチトリプシンクリアランス試験は283mg/dayと高値であった。このため蛋白漏出胃腸症を疑い上下部消化管内視鏡検査を施行した。空腸・十二指腸粘膜に散布状白点を認められ、腸リンパ管拡張症を疑い生検を施行したが有意な所見は得られなかった。このため、病変の範囲決定及び診断確定のためダブルバルーン小腸内視鏡(フジノン東芝ESシステム社製 EN-450T5-W)検査を施行したところ、空腸粘膜は浮腫状であり、上下部内視鏡所見と同様の散布状白点を空腸の広範囲に認めた。同部位からの生検にて粘膜固有層~粘膜筋板にかけてリンパ管の拡張を認め、腸リンパ管拡張症による蛋白漏出胃腸症の確定診断に至った。今後、酢酸オクトレオチド製剤による加療を検討中である。本症例は、小腸内視鏡を施行することにより腸リンパ管拡張症に特徴的とされる散布状白点を空腸に広範囲に認められ、病変の範囲および治療方針を決定する上で有用であった。また、生検による腸リンパ管拡張症の確定診断が得ることができた。腸リンパ管拡張症による蛋白漏出胃腸症はまれな疾患であるが、原因不明の浮腫や低アルブミン血症等を認める場合には本症を念頭におき、上下部内視鏡で診断がつかない場合には積極的に小腸内視鏡検査を考慮すべきと考えられた。 |
| 索引用語 | 腸リンパ管拡張症 , 小腸内視鏡検査 |