セッション情報 シンポジウム3

タイトル S3-06:

HBVゲノタイプの分布およびHIV合併感染に関する検討

演者 前城 達次(琉球大学医学部 第一内科)
共同演者 新垣 伸吾(琉球大学医学部 第一内科), 城間 丈二(琉球大学医学部 第一内科), 佐久川 廣(ハートライフ病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】近年STD(性行為感染症)としてのゲノタイプA HBV感染が注目されているが、沖縄県ではHBVに加えてHIV感染者数の増加が問題となっている。今回我々はHIVおよびHBV同時感染者の頻度およびその臨床経過に関して、HBVのゲノタイプの分布と併せて報告する。【対象】HBVは2005-2006年に新規にゲノタイプを測定したHBs持続感染者52名を、またHIV感染者は1989年から2007年7月までに当院感染症外来で通院及び入院歴のある98名中HBs抗原を計測した63名を対象とした。【結果】HBs抗原陽性者はすべて持続感染者で平均53歳、男性32名、女性22名であった。その内ゲノタイプAが7例(13.5%)、Bが29例(55.8%)、Cが13例(25%)、Gが1例であった。特にゲノタイプAの6例が慢性肝炎の診断であった。一方HIV感染者は平均年齢34.6歳で男性59名、女性4名であった。HIV感染者63名中10名(16%)がHBs抗原陽性、6名(9.5%)がHBs抗体陽性で一般の陽性率と比較して高率であった。またHIV+HBV重感染者の10名中7名でHBVゲノタイプが測定されその内4名がゲノタイプAであった。これらHBV+HIV重感染の症例では1例を除いてHIVに対する抗ウイルス療法が施行されていた。一般的に抗HIV療法の場合には逆転写酵素阻害剤を中心とした多剤併用療法が行われており、ほぼすべての症例でラミブジンや、テノフォビルなどHBVにも抗ウイルス効果を発揮する薬剤が含まれている。現時点で3ヶ月から36ヶ月間の抗ウイルス療法が行われているが、すべての症例でYMDD変異株の出現は認めていない。【結語】沖縄県においてもHBV持続感染者の中でHBVゲノタイプAの占める割合が増加しており、ゲノタイプAの感染が拡大していることが推測された。またHIV感染者におけるHBV感染率は若年であるにも関わらず高率であり、HIV感染者はHBV感染のハイリスクグループと思われた。
索引用語 HBV, genotype A