| 抄録 |
【目的】苦痛の少ない検査法として経鼻内視鏡検査は急速に広がっているが,その前処置は各施設により異なり,一定のコンセンサスは得られていない.経鼻内視鏡検査の前処置として,簡便で効果の高い鼻腔の麻酔方法を検討する.【方法】2005年11月から2006年8月までに,木村病院で経鼻内視鏡検査を試みた373例(男女比192:181,平均年齢55.7歳)を対象とした.鼻腔の麻酔方法をそれぞれ,麻酔噴霧法(n=127),綿棒挿入法(n=115),併用法(n=130)とし,経鼻挿入率を検討した.経鼻挿入が可能であった症例は検査直後に検査の不快度,鼻腔の麻酔とスコープ挿入時の苦痛度を,アンケートを用いて3段階に評価し,3群間で検討した.経口内視鏡検査の経験がある症例では,過去の経口法との比較も調査した.【結果】全373例中354例(94.9%)で経鼻挿入が可能で,重篤な鼻出血を来した症例はなかった.3群で年齢,性比,経鼻挿入率に差はなかったが,麻酔噴霧法,綿棒挿入法,併用法の検査全体の不快度(21.0%,38.9%,33.0%),鼻腔の麻酔の苦痛度(31.9%,42.9%,42.2%)およびスコープ挿入時の鼻腔の苦痛度(71.4%,85.7%,74.3%)は麻酔噴霧群で低かった.経鼻挿入可能であった症例中263例(74.3%)に経口法の経験があったが,麻酔噴霧群の85.4%が「次回も経鼻法を希望する」とし,他の2群より多かった.【結論】経鼻内視鏡検査の前処置として,麻酔噴霧法は簡便で患者の苦痛度も低く,十分な麻酔効果を有する方法と考えられる. |