セッション情報 一般演題

タイトル 127:

当院における腹腔・静脈シャント術の治療成績・予後

演者 坂元 秀壮(宮崎医療センター病院 肝臓消化器病センター)
共同演者 岩満 章浩(宮崎医療センター病院 肝臓消化器病センター), 宮内 明美(宮崎医療センター病院 肝臓消化器病センター), 稲田 由紀子(宮崎医療センター病院 肝臓消化器病センター), 堀 剛(宮崎医療センター病院 肝臓消化器病センター)
抄録 【はじめに】近年、難治性腹水の患者に対しQOLを改善する事を目的とし、Denver腹腔・静脈シャントが汎用されるようになってきている。治療の注意点としては、術中・術後の重篤な合併症として、心不全・肺水腫、呼吸不全、ARDS、敗血症、PSC(post shunt coagulation) などがあり、それらを予防する必要がある。当院ではこれまで、2005年より難治性腹水の患者18名に対し、Denverシャントを行っているが、それらの症例の治療経過、合併症、また治療後の予後につき検討したので報告する。【対象・目的】当院では、2005年11月から、現在までに18症例に対し米国のデンバー・バイオメディカル社のデンバーシャントを使用してDenverシャント術を行っている。うち6ヶ月以上治療経過を観察できた13症例について治療経過、合併症の頻度および、Child-pugh分類・MELDスコアによる予後の検討を行った。【結果・まとめ】全例術後、優位な腹囲と体重の改善が得られた。最も多い術後の合併症としては、シャント回路の閉塞が4/13(30.8%)であり、閉塞部は全例ポンプ内のフィルター部であった。重篤な合併症は、創部感染1例、術後肝不全が2例認められた(MELD score18点以上の症例3例中2例に術後2ヶ月以内の肝不全の合併を認めた)。また、全症例の治療後1年生存率は69.2%、2年生存率は46.2%であった。MELD score別で比較すると、10点未満の症例の1年生存率は71.4%、それ以上のスコアの症例の1年生存率は33.3%と、Denverシャント術が予後の改善には寄与していないことも示唆された。以上の事より、Denverシャント術は予後改善に寄与しないが、腹水・腹囲を著明に減少させ、QOLを改善させる治療であると考えられた。ただし、MELD score18以上の症例は、肝不全などの致死的合併症を起こす危険性があり、慎重に適応をみきわめる必要があると思われた。
索引用語 Denverシャント, 難治性腹水