| 抄録 |
【目的】当院におけるC型急性肝炎を検討しその問題点について考察する.【方法】対象は平成17年5月から平成19年4月までの2年間に当院でC型急性肝炎と診断した5症例である.これらの年齢,性別,初発症状,感染経路,C型急性肝炎の診断理由,転帰について検討した.【結果】5症例の内訳は男性2例女性3例,年齢中央値は32(20-42)歳であった.初発症状は3例が食欲低下や嘔気などの消化器症状を呈し,2例は黄疸があった.また,1例は発症から3ヶ月目の受診で自覚症状はなかった.病歴から推定される感染経路は4例が覚醒剤関連であり,1例は性感染症と考えられた. 2例はHCV抗体陰性,HCV-RNA陽性で血清学的にC型急性肝炎として典型的であると考えられたパターンであったが,3例は初診時からHCV抗体陽性であった.このうち1例はHCV抗体カットオフインデックスが高力価ではあったが,6ヶ月前のHCV抗体陰性が確認されており,1例はHCV抗体低力価陽性から高力価陽性への変化が確認された.また1例はHCV抗体の変化は確認できなかったが、過去に肝障害の既往がなく急性肝障害と判断し,C型急性肝炎と診断した.初診時にHCV抗体陽性であった2例にRIBA3を測定したところ1から2項目陽性であり,感染初期の判断に有用とされるc33cは全て陽性であった.経過は5症例中2例が外来受診を自己中断したが,3例は発症より2から6ヶ月目までにインターフェロン療法を導入し1例は治療中,2例はウイルス駆除に成功している.【まとめ】C型急性肝炎ではインターフェロン治療により高率にウイルス駆除できる可能性があるため,その診断が重要ある.初診時にHCV抗体が陽性である場合,その診断のために過去のHCV抗体陰性やあきらかな感染経路を確認する必要がある.しかし,感染経路が覚醒剤や性交渉であるため,病歴聴取による確定が困難であることが予想される.このような場合,経過中の抗体価上昇の確認やRIBA3などが参考になる可能性があり,総合的に評価する必要がある. |