セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-35:

膵炎を契機に発症し増大傾向を示したMucinous cyst neoplasmの一例

演者 久賀 征一郎(久留米大学病院 臨床研修管理センター)
共同演者 草野 弘宣(久留米大学病院 病院病理部), 岡部 義信(久留米大学 医学部 内科学講座消化器内科部門), 菅 偉哉(久留米大学 医学部 内科学講座消化器内科部門), 石田 裕介(久留米大学 医学部 内科学講座消化器内科部門), 加地 亮平(久留米大学 医学部 内科学講座消化器内科部門), 有川 俊二(久留米大学 医学部 放射線科), 木下 壽文(久留米大学 医学部 外科), 内藤 嘉紀(久留米大学 医学部 病理学講座), 矢野 博久(久留米大学 医学部 病理学講座), 鹿毛 政義(久留米大学病院 病院病理部)
抄録 症例は20歳代、女性。小児期より僧帽弁閉鎖不全症にて当院循環器内科経過観察中であった。心窩部痛を主訴に近医を受診。急性膵炎の診断で、即日同院へ入院となり、保存的加療で速やかに改善した。その際のUS及び腹部CTで膵尾部に嚢胞性病変を指摘され、精査目的で当院入院となった。腹部造影CTでは膵尾部に約18mmの多房性嚢胞認めたが、明らかな充実部は認めなかった。EUSで嚢胞内に隔壁が存在し、壁は一部肥厚様に描出された。ERPでは主要部に一致して主膵管の圧排変移と尾側膵管の拡張を認めたが、明らかな膵管と嚢胞の交通は認めなかった。以上のことから、鑑別診としてMucinous cystic neoplasm(MCN)、Solid pseudopapillary tumor(SPT)が挙げられ、膵炎の原因となっていること、上記鑑別診断であればMalignant potentialを有していることから十分なInformed consentの上、精査より約4ヶ月後に膵体尾部切除術、脾臓温存術を施行した。なお、手術直前に施行した腹部造影CTで嚢胞径26mmと増大傾向を示していた。手術所見は膵体尾部に直径20×20mm大の比較的軟かいcystic tumorを認めた。病理組織検査では嚢胞壁は比較的厚く、卵巣様間質を伴っていた。嚢胞上皮は単層円柱上皮で覆われており異型に乏しく明らかな悪性所見は認めなかった。以上より病理組織診断はMCNとした。術後経過は良好である。今回われわれは、若年女性で膵炎を契機に短期間で増大傾向を示したMCNの一切除例を経験したので、若干の文献的考察を含め報告する。
索引用語 膵臓, 嚢胞性病変