| セッション情報 |
一般演題
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| タイトル |
144:十二指腸ガストリノーマによるZollinger-Ellison症候群の一例
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| 演者 |
前畠 裕司(九州大学大学院病態機能内科学) |
| 共同演者 |
稲盛 真人(九州大学大学院病態機能内科学), 中村 昌太郎(九州大学大学院病態機能内科学), 森山 智彦(九州大学大学院病態機能内科学), 江崎 幹宏(九州大学大学院病態機能内科学), 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学), 山口 幸二(九州大学大学院臨床・腫瘍外科), ロナルド シュレンペル(インターナショナル唐人町クリニック) |
| 抄録 |
症例は54歳、女性。平成16年末より胸やけ、心窩部痛、下痢が出現し、10ヶ月で8kgの体重減少を来たした。平成17年9月近医を受診、上部消化管内視鏡検査で多発性十二指腸潰瘍と逆流性食道炎を認め、血清ガストリンが高値(1000pg/ml)であったことからZollinger-Ellison症候群と診断された。この時、十二指腸球後部に長径約1cmの粘膜下腫瘍を認めたが、生検で腫瘍細胞は検出されなかった。Rabeprazole20mg内服により症状は軽快した。平成19年3月の内視鏡で十二指腸の粘膜下腫瘍は増大しており、生検でガストリノーマと診断されたため、当科へ紹介入院となった。上部内視鏡で十二指腸球後部に中心陥凹を有する粘膜下腫瘍を認め、同病変は、超音波内視鏡では第3層に主座に置く境界明瞭な低エコー性腫瘤として、低緊張性十二指腸造影検査ではBridging holdを伴う長径約1.5cmの辺縁平滑な透亮像として描出された。また上部内視鏡および経口的ダブルバルーン小腸内視鏡検査で、十二指腸下行脚から上部空腸にかけてkerckring襞上に横走傾向のあるびらんと白色調の線状潰瘍瘢痕を認めた。胸腹部CTでは、転移を示唆する所見はなく、また膵臓や肝臓に腫瘍性病変は指摘できなかった。FDG-PETでも異常集積は認められなかった。頸部エコー・CTおよび頭部MRIでは副甲状腺および下垂体に腫瘍性病変は認めず、多発性内分泌腫瘍症I型の合併は否定的であった。セクレチン負荷試験で血中ガストリン値は奇異性に上昇し、選択的動脈内カルシウム注入試験では、胃十二指腸動脈に加え、右肝動脈および後膵動脈内へのカルシウム負荷にて肝静脈内ガストリン値の上昇を認めた。8月3日に開腹手術を行い、術中エコーを行うも肝および膵に腫瘍性病変は検出できず、十二指腸腫瘍核出術を施行した。切除標本の病理組織検査では、腫瘍細胞は粘膜下層にほぼ限局しており、静脈侵襲を来していた。内視鏡検査で同定し得た十二指腸原発のガストリノーマは稀と考えられ、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
| 索引用語 |
ガストリノーマ, Zollinger-Ellison症候群 |