セッション情報 一般演題

タイトル 200:

膵管ステント留置後2ヶ月目にステントが膵実質を貫通した1例

演者 安元 真希子(筑後市立病院)
共同演者 白地 美紀(筑後市立病院), 春田 剛(筑後市立病院), 坂本 雅晴(筑後市立病院), 小野 典之(筑後市立病院), 岡部 義信(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門)
抄録 症例は93歳、女性。自宅にて転倒し、大腿骨骨折疑いにて当院整形外科入院となった。入院中より食欲低下や腹部膨満が増強してきたため、精査加療目的で当科転科となった。血液生化学検査では、著明な炎症反応、肝胆道系酵素及び血中アミラーゼ値の上昇、さらにCA19-9 411と腫瘍マーカーの異常を認めた。腹部CTで膵頭部に腫瘍性病変を疑う所見を認め、その尾側の主膵管の拡張と膵尾部に径約7cm大の被膜を有する単房性嚢胞を認めた。MRIでも同様な所見だった。内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査(ERCP)では、膵頭部に狭窄像とその末梢側膵管の拡張を認めた。尾部の嚢胞との交通は不明だったが、他の画像所見より炎症性貯留嚢胞や仮性嚢胞を疑い、嚢胞縮小を期待し膵管ステント(7Fr, 片側pig tail)を挿入した。また、胆管狭窄像と総胆管結石を多数認め、EST施行しERBDを行った。切石術は施行しなかった。膵液細胞診でclassVが検出されたため、膵頭部癌と診断した。以後、各血液生化学検査は改善を示したが、膵管ステント留置後7日目から38度台の発熱及び膵酵素の再上昇を認め、腹部CTでも嚢胞が増大傾向にあったため、9日目に膵管ステント(7Fr片側pig tail)の入れ替えを行った。その後は膵酵素の上昇もなく、膵嚢胞は縮小傾向であった。また、超高齢者だったためこれ以上の積極的加療は行なわず、QOLを優先させる方針となった。しかし膵管ステント留置後約2ヶ月目頃から筋性防御を伴った腹痛が出現し、腹部CTでfree air及び著明な腹水と、留置していた膵管ステントの膵側が膵実質を貫き、腹腔内に先端を認めた。その後、保存的加療を行なうも他界された。膵管ステントの有用性及びその適応は拡大しつつあるが、その合併症及び安全性についての報告は少ない。今回我々は膵管ステントが留置後約2ヶ月目に膵実質を貫通した症例を経験したので報告する。
索引用語 膵管ステント, 合併症