セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-46:

仮性嚢胞内出血と大腸狭窄を合併した急性膵炎の一例

演者 市来 玲子(福岡大学筑紫病院 消化器科)
共同演者 植木 敏晴(福岡大学筑紫病院 消化器科), 馬場 崇徳(福岡大学筑紫病院 消化器科), 簑田 竜平(福岡大学筑紫病院 消化器科), 大塚 雄一郎(福岡大学筑紫病院 消化器科), 二宮 風夫(福岡大学筑紫病院 消化器科), 藤村 成仁(福岡大学筑紫病院 消化器科), 大谷 圭介(福岡大学筑紫病院 消化器科), 平井 郁仁(福岡大学筑紫病院 消化器科), 津田 純郎(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科), 黒木 博介(福岡大学筑紫病院外科), 石橋 由紀子(福岡大学筑紫病院外科), 関 克典(福岡大学筑紫病院外科), 二見 喜太郎(福岡大学筑紫病院外科), 西俣 伸亮(福岡大学筑紫病院病理部), 岩下 明徳(福岡大学筑紫病院病理部)
抄録 症例は40歳代の男性。大酒家。高血圧、腎結石、腎障害の既往歴あり。2006年10月頃より左季肋部痛が出現、某病院を受診。膵酵素の上昇を指摘されたが、CTやMRIでは膵炎の所見ははっきりせず、疼痛が沈静化したため通院を中止した。12月中旬に疼痛が再度出現し前医を受診したが、鎮静剤で症状が改善したため放置していた。2007年3月末に症状が再燃したため4月2日当科紹介受診。入院後膵酵素の上昇を認め、CTにて膵尾部から胃大彎に接する被包化された径3cmのfluid collectionと大腸透視にて横行結腸脾彎曲部近傍に約5cmの鋸歯状の管腔の狭少化があり,慢性膵炎急性増悪に伴う仮性嚢胞と大腸狭窄と診断した。絶食・IVH管理で腹部症状や炎症所見が改善したため、本人の強い希望で5月2日退院したが、5日後、心窩部痛出現し救急車にて再入院。WBC17300/mm3、アミラーゼ724IU/L、リパーゼ1596IU/L、トリプシ7200ng/mL、エラスターゼ1 2500ng-dLで、CT上肝被膜下や脾門部にlow density areaとhigh density areaが混在した巨大な腫瘤があり、仮性嚢胞内出血あるいは仮性動脈瘤からの出血が疑われた。経皮的腫瘤穿刺では、内容液はHb8.1g/dL、アミラーゼ16000 IU/L、エンドトキシン58.1pg/mLで、出血に加え感染も合併していた。貧血(Hb7.2g/dL)の進行があり腹部血管造影を施行したが、出血源は不明で、腫瘤が増大傾向にあることより、第4病日に緊急手術となった。開腹所見は膵炎に伴う仮性嚢胞内出血であった。脾臓摘出術、膵周囲と上腹部の血腫除去術、空腸栄養瘻造設術と腹腔内洗浄を行った。術後DICになり、腎機能が悪化したがCHDFで改善した。その後第42病日に退院となった。本例はアルコール性慢性膵炎の急性増悪による仮性嚢胞と大腸狭窄があり、その後嚢胞内出血のため緊急手術となったが集学的治療で救命できた。仮性嚢胞は経過中に出血することがあり、慎重な経過観察が必要である。
索引用語 膵仮性嚢胞内出血, 大腸狭窄