セッション情報 一般演題

タイトル 171:

便潜血陽性二次検診のための大腸内視鏡検査の腸管洗浄液服用を契機に腸閉塞を呈した1例

演者 房前 貴之(産業医科大学病院 消化器・代謝内科)
共同演者 芳川 一郎(産業医科大学病院 消化器・代謝内科), 田口 雅史(産業医科大学病院 消化器・代謝内科), 木原 康之(産業医科大学病院 消化器・代謝内科), 久米 恵一郎(産業医科大学病院 消化器・代謝内科), 日暮 愛一郎(産業医科大学病院 消化器・内分泌外科), 永田 直幹(産業医科大学病院 消化器・内分泌外科), 大槻 眞(産業医科大学病院 消化器・代謝内科)
抄録 症例は74歳,男性.労作性狭心症にて当院循環器科で加療中に,腹部症状はなかったが,便潜血陽性を指摘されたため,当科を紹介受診した.大腸内視鏡検査のため,2Lの腸管洗浄液を約2時間で服用したが服用中は排便なく,服用終了約30分後に1度だけ排便したのみであった.腸管洗浄液服用開始約4時間後には自覚症状はなかったが,腹部は著明に膨満していた.腸蠕動音は亢進していたが,圧痛や反跳痛は認めなかった.腹部単純X線で鏡面像を認めたため腹部CT検査を施行したところ,肝弯曲部に閉塞性病変とその口側腸管の著明な拡張を認めた.これらの所見から肝弯曲部の閉塞性病変により腸管洗浄液服用を契機に腸閉塞を呈したものと診断した.腸管穿孔を来たす危険性があったため緊急手術を施行した.肝弯曲部に大腸進行癌が認められ,右半結腸切除術が施行された.術後経過は良好であり,第12病日に退院した.便潜血陽性の二次検診では全大腸内視鏡検査が第一選択である.全大腸内視鏡検査の前処置である腸管洗浄液服用により腸管に閉塞性病変がある場合は,消化管穿孔の危険性があることが指摘されている.本症例はたとえ検査前に無症状であっても腸管洗浄液服用を契機に腸閉塞を呈する危険性があることを示しており,教訓的な症例と考えられたため報告する.
索引用語 腸管洗浄液, 腸閉塞