セッション情報 一般演題

タイトル 107:

カテーテルによる血栓吸引療法を2度施行し保存的加療が可能であった上腸間膜動脈血栓症の1例

演者 船越 禎広(済生会熊本病院消化器病センター)
共同演者 工藤 康一(済生会熊本病院消化器病センター), 尾崎 徹(済生会熊本病院消化器病センター), 吉田 健一(済生会熊本病院消化器病センター), 上川 健太郎(済生会熊本病院消化器病センター), 上原 正義(済生会熊本病院消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院消化器病センター), 浦田 淳資(済生会熊本病院消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院消化器病センター), 安田 剛(済生会熊本病院画像診断センター), 宇都宮 大輔(済生会熊本病院画像診断センター), 西春 泰司(済生会熊本病院画像診断センター), 廣田 和彦(済生会熊本病院画像診断センター), 浦田 譲治(済生会熊本病院画像診断センター)
抄録 症例は、69歳の女性。2007年6月腹部全体の激痛で当院救急外来受診。理学所見で圧痛を認めたが腹部は弾性軟で筋性防御や腹膜刺激症状は認めなかった。身長142cm、体重48kg、体温:36.1℃ 血圧:112/70mmHg脈拍数:76/分 整 意識は清明であった。血液所見でWBC :2600/ /μl CRP:0.04mg/dl CK:226 IU/l LDH:220 IU/l、血液ガスでPH:7,317 BE:-5.8のアシドーシスを認めた。腹部単純X線で小腸ガス像を認め腹部単純CTで中部小腸の著明な壁肥厚、大動脈周囲の著しい石灰化、肝表面の少量の腹水を認め上腸間膜動脈(SMA)血栓症を疑った。腹部造影CTで上腸間膜動脈本幹遠位側の閉塞が疑われた。心電図では正常洞調律で不整脈の既往も無かった。この時点で発症から約8時間経過していたが、アシドーシスやの進行やCK上昇無くカテーテルによるSMA造影で本幹遠位側に血栓による造影欠損を認めた。発症から時間が経過しており血栓溶解療法では無く血栓吸引を施行した。SystemはMach1(8F),Thrombuster7Fを使用し約10回程血栓吸引除去を施行し、約0.2~0.5cm程の赤色、白色血栓を数個回収した。除去後の造影では少量の血栓の残存はあるも、末梢への還流は改善されたため、低分子ヘパリンならびに塩酸パパベリンの持続動注で経過観察した。しかし、翌日に右内頸動脈閉塞による脳梗塞を発症し、更にSMAからの確認造影で同部位に再度血栓閉塞を認めた。ヘパリン依存性血小板減少症の可能性も考え、ヘパリンを中止しHeartrail 5Frにて造影しながら血栓を確認し、大きさ約0.5cm程の血栓を数個再回収した。その後のSMAからの造影では、狭窄は残存したものの還流は良好であり4日後の造影では血栓の再発は認めなかった。CKのMAXは来院日の226IU/lであった。脳梗塞は左上下肢の麻痺が残存したが、経管栄養、経口摂取後も特に症状認めず腹部CTでもSMAの造影効果は良好であった。6週間後の腹部造影CTでは、中部小腸の壁肥厚は、著明に改善を認めていた。その後全身状態良好であり、脳梗塞のリハビリ目的で第52日に転院となった。SMA血栓症にカテーテルによる血栓吸引が有効であった1症例を経験したので報告する。
索引用語 上腸間膜動脈血栓症, 血栓吸引