セッション情報 一般演題

タイトル 117:

外科的切除を行った低分化型Barrett食道腺癌の1例

演者 山本 充了(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 庄野 孝(済生会熊本病院 消化器病センター), 上原 正義(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院 消化器病センター), 荒井 光広(同 外科センター), 金光 敬一郎(同 外科センター), 神尾 多喜浩(同 病理)
抄録 症例は56歳、男性。既往歴、家族歴に特記事項なし。特に自覚症状は認めていなかった。2005年から毎年当院健診センターにて上部消化管内視鏡検査を施行されていたが、2007年4月の同検査にて食道胃接合部に隆起性病変を指摘され、当科紹介となった。内視鏡検査にて食道胃接合部の右側前壁に約10mm大の発赤調の不整な隆起性病変があり、その肛門側には陥凹を呈していた。同部位の生検にて低分化型腺癌を認め、病変の肛門側に一部ルゴールに濃染される扁平上皮の遺残を認めたため、Barrett食道腺癌と考えられた。食道X線検査の側面像では壁硬化像を認めた。肉眼型はIIa+IIcであり、術前深達度はSM2~3と判断した。胸腹部造影CTでは転移は認めなかった。以上より術前にBarrett食道腺癌、T1bN0M0, cStageIと診断し、同年6月、下部食道噴門側胃切除術を施行した。新鮮切除標本では腫瘍径は12mm×10mmあり、病理組織所見では癌巣内に扁平上皮が島状に残存し、一部では癌の粘膜下層に食道固有腺が存在していた。粘膜筋板の二重構造も認めたため、SSBEに発生したBarrett食道腺癌と診断した。腫瘍細胞は粘液を含む低分化型腺癌で、深達度はsm2であった。リンパ節転移は認めなかった。近年、本邦でもBarrett腺癌の頻度は増加してきているが、低分化型腺癌は比較的稀である。また報告例の多くは進行癌であり、早期癌の報告は少ない。今回我々は低分化型Barrett食道腺癌に対して外科的切除を施行した1例を経験したので文献的考察を加え報告する。
索引用語 Barrett食道腺癌, 低分化型腺癌