セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-18:

多血性で肝動脈塞栓術を施行した肝過形成結節の1症例

演者 池崎 裕昭(福岡東医療センターDELIMITER九州大学大学院医学研究医院 病態機能内科学)
共同演者 緒方 久修(九州大学大学院医学研究医院 病態機能内科学), 東 晃一(九州大学大学院医学研究医院 病態機能内科学), 平川 雅和(九州大学病院 放射線科), 實藤 隼人(北九州総合病院 臨床検査部兼研究部), 平橋 高明(九州中央病院 内科), 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院 消化器科), 飯田 三雄(九州大学大学院医学研究医院 病態機能内科学)
抄録 【はじめに】肝における過形成結節は肝細胞性の良性病変の一つであるが、腺腫様過形成などとは異なりその組織は細胞異型、構造異型を認めず細胞密度の軽度上昇を認めるのみである。また、肝過形成結節は発症頻度は低くまれな病変とされる。今回、我々は、経口避妊薬内服後に発症した肝過形成結節の一症例を経験したため、文献的考察を加え報告する。【症例】48歳,女性。【主訴】肝腫瘍の精査・加療目的。【既往歴】20歳代、経口避妊薬内服。【現病歴】平成18年2月下腹部痛を主訴に近医を受診した際結腸憩室炎と診断され入院となった。入院中の腹部CT検査にて肝S7に径約4cmの腫瘍を指摘された。結腸憩室炎治療後一時退院となり近医にて肝腫瘍生検をおこなわれたが悪性の所見はみられなかった。その後近医にて定期的に経過観察されていたが、肝腫瘍の大きさには特に変化はみられなかった。平成19年8月肝腫瘍の精査のため、当科紹介入院となった。入院時の血液検査ではAST 34U/L、ALT 40U/L、γ-GTP 154U/L, HBsAg(-), HCV-Ab(-), AFP 2.3ng/ml, PIVKA-II 26mAU/mlと肝酵素に軽度上昇をみとめたが腫瘍マーカーは正常範囲内であった。腹部超音波検査では肝S7に径約5cmの腫瘍を認め、腹部CT検査でも肝S7/1にIVCと広範囲で接する径約46mmのhypervascularな腫瘍を認めた。肝腫瘍生検をおこなったところ、病理組織上は肝細胞の細胞密度の軽度上昇を認めるのみで過形成結節と考えられる所見が得られた。腫瘍が肝表面に位置しておりhypervascularであることから、当科再入院後、平成19年1月に腹部血管造影をおこない、肝動脈塞栓療法を施行した。2週間後の腹部CT検査では、肝腫瘍に良好な血流の低下をみとめた。その後、外来にて経過観察をおこなっていたが、平成19年7月腹部CT検査では治療後の肝腫瘍に縮小傾向がみとめられた。【結語】本症例は、経口避妊薬内服後発症した肝の結節性病変であり、肝生検組織上肝過形成結節と考えられた。Hypervascularな肝過形成結節において、肝動脈塞栓療法は治療法の一つとして有効である可能性が示唆された。
索引用語 肝臓, 腫瘍