セッション情報 シンポジウム3

タイトル S3-14:

B型肝炎に対する生体肝移植

演者 吉住 朋晴(九州大学 消化器・総合外科)
共同演者 武冨 紹信(九州大学 消化器・総合外科), 副島 雄二(九州大学 消化器・総合外科), 山下 洋市(九州大学 消化器・総合外科), 丸山 晴司(九州大学 消化器・総合外科), 杉町 圭史(九州大学 消化器・総合外科), 原田 昇(九州大学 消化器・総合外科), 萱島 寛人(九州大学 消化器・総合外科), 實藤 健作(九州大学 消化器・総合外科), 福原 崇介(九州大学 消化器・総合外科), 森田 和豊(九州大学 消化器・総合外科), 植田 茂(九州大学 消化器・総合外科), 前原 喜彦(九州大学 消化器・総合外科)
抄録 【背景】ウイルス性肝硬変及び劇症肝炎に対する生体肝移植施行症例数は増加している。ウイルス性肝疾患における肝移植術後の問題は肝炎の再発である。予防策を講じない場合のB型肝炎再発率は、90%以上と報告されていたが、近年はHBIG及びラミブジンの使用により、その予後は著しく改善している。【目的】B型肝炎に対する生体肝移植の成績を検討した。【対象・方法】(1)当科で施行した成人間生体肝移植232例中、HBsAg陽性肝硬変17例(うち肝癌合併13例)、HBVによる劇症肝炎10例、慢性B型肝炎の急性増悪4例の計31例(HBV群)を他疾患にて生体肝移植を施行した201例(対照群)と比較検討した。(2)HBV群の術後再発予防法と再発率を検討した。【結果】(1)術後成績:平均観察期間は1113日。HBV群レシピエントの平均年齢は50.6歳、男女比は19:12、ドナーの平均年齢は33.5歳、男女比は22:9で、いずれも対照群と有意差を認めなかった。術前MELDは平均19.4で対照群の13.5に比べ、有意に高かった(p<0.001)。使用したグラフトは左葉17/右葉14、平均グラフト重量(GW)は500g、平均GW/標準肝重量比42.9%、レシピエント平均手術時間809分、レシピエント平均出血量5835mlで、対照群と有意差を認めなかった。累積生存率は1年90.3%、5年78.1%で、対照群(1年82.8%、5年73.2%)と有意差を認めなかった。(2)HBV再発:術後はラミブジンとHBIGにより再発予防を行った(5例では術前よりアデフォビルを併用)。HBsAb値は術後1年間が200-500IU/L、以後は100IU/Lを維持するようにHBIGを追加投与した。術後HBsAg陽性となったのは3例(生存例の12%。うち1例はHBsAgキャリアドナーからの肝移植)で、HBIGは中止し、ラミブジンとアデフォビルを投与中である。HBVDNAは全例感度以下で経過中である。【まとめ】B型肝炎に対する生体肝移植の成績は、他疾患と比較しても良好であった。今後は、新しい核酸アナログ製剤の使用、ワクチンの併用により、経済的なB型肝炎の再発予防を進める必要がある。
索引用語 B型肝炎, 生体肝移植