| 共同演者 |
井上 美緒(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 消化器内科), 橋元 悟(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 消化器内科), 立山 雅邦(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 消化器内科), 長岡 進矢(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 消化器内科), 田浦 直太(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 消化器内科), 阿比留 正剛(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 消化器内科), 矢野 公士(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター), 伊東 正博(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター), 小森 敦正(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター), 中村 稔(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター), 右田 清志(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター), 八橋 弘(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター), 石橋 大海(独立行政法人 国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター) |
| 抄録 |
【症例】43歳 女性【主訴】黄疸【現病歴】平成19年4月、皮膚掻痒感、黄疸で発症。5月2日に近医を受診し、T-Bil 3.9 mg/dl、D-Bil 3.0 mg/dl、AST 162 IU/l、ALT 199 IU/l、ALP 3,899 IU/l、γ-GTP 1,426 IU/lを指摘され、急性肝炎を疑われ当科紹介となった。飲酒歴なし。【入院時血液検査】T-Bil 6.5mg/dl、D-Bil 4.1mg/dl、AST 171 IU/l、ALT 193 IU/l、ALP 4,004 IU/l、γ-GTP 1,153 IU/l、TTT 14.5 KU、ZTT 28.1 KU、PT 100%、IgG 2,250 mg/dl、IgM 972 mg/dl、HBs-Ag(-)、HCV-Ab(-)、HAV-IgM(-)、抗核抗体 (-)、抗平滑筋抗体 80倍、抗ミトコンドリア抗体640倍 抗ミトコンドリアM2 抗体103.0 Index、gp210抗体 (-)【入院後経過】腹部超音波検査、CT検査では肝内に異常所見認めず、胆道の閉塞所見も認めなかった。腹腔鏡では、高度不整慢性肝炎であり肝表面になだらかな起伏性変化を認めた。組織学的には、門脈域に中等度の炎症細胞浸潤、小葉間胆管の消失, 高度のinterface hepatitisを認めた。オーバーラップ症候群として矛盾せず、発症が比較的急性であったため、まずプレドニン30mgで治療を開始。しかし、開始後も肝胆道系酵素の高値持続し、反応性に乏しかった。その後UDCA 600mgを内服開始したところ、胆道系酵素の速やかな低下を認めた。【考察】本例は当初、胆道系酵素上昇優位の急性肝障害、抗平滑筋抗体 80倍、IgG上昇を認め、AIH、PBCのオーバーラップ症候群と考え、ステロイドによる治療を開始したが、その後の経過も含め、PBCの因子が主たる病因と考えられた。一般にオーバーラップ症候群では抗核抗体陽性となるが、抗平滑筋抗体のみが陽性を呈するPBCは稀と考えられ、病態との関連を含め興味深い。文献的考察を加え報告する。 |