セッション情報 シンポジウム3

タイトル S3-13:

B型肝細胞癌根治後のラミブジン治療

演者 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院)
共同演者 大橋 朋子(新日鐵八幡記念病院), 内村 浩太郎(新日鐵八幡記念病院), 佐渡島 省三(新日鐵八幡記念病院 内科)
抄録 【目的】JIS0および1のHBV関連肝細胞癌(HCC)の根治的治療後にラミブジン(LAM)治療を行い、生存率と肝機能検査値に与える影響を検討した。
【対象および方法】1992年より2006年8月までに当院にて各種治療による根治的治療を行ったJIS0およびJIS1のHBV関連肝細胞癌症例で治療後1年以内に1年以上のLAM治療を行った15例と、非治療例の15例を対照として生存率を検討し、さらに再発時または治療後3年目での肝機能検査値を比較検討した。 LAM治療群/LAM非治療群の背景は年齢58.5/59.8歳, 男性12/14、JIS0 4/7例、JIS1 11/8例、Child-Pugh A 11/11、Child-Pugh B 4/4。 平均観察期間 48.5ヶ月(15.7-86.0ヶ月)/53.8ヶ月(13.5-113.7ヶ月)。 肝癌の治療法は手術3/3、ラジオ波治療9/3、マイクロウェーブ凝固療法2/0、エタノール注入療法1/9。 血液検査値の背景因子(AST、ALT、Alb、TBil、血小板数、プロトロンビン時間(PT)、AFP値、DCP値、HBeAg陽性率 )には両群間で差はみられなかった。LAM治療群/LAM非治療群の肝癌再発は7/11例で、再発までの平均期間は20.2ヶ月/26.2ヶ月で、3年以上非再発例は4/3例。LAM治療群のうちアデフォビル併用例は3例である。
【結果】LAM治療群の3年および5年生存率は100%および83.3%で、LAM非治療群での68.4%および59.8%と比較し有意に高かった(p=0.0280)。 肝癌再発時または治療3年目の肝機能検査値を初回肝癌治療時と比較するとLAM治療群(11例)ではAlb3.58から3.94 g/dl(p<0.01)、PTは77.9から89.9%(p<0.05)に有意に上昇したが、LAM非治療群(14例)ではAlb値、PTに有意な変化はみられず低下傾向を示した。
【結論】HCC治療後のラミブジン投与は肝予備能を改善させるとともに生命予後も延長する。
索引用語 肝細胞癌, ラミブジン