セッション情報 一般演題

タイトル 112:

結核性縦隔リンパ節炎の食道穿破により吐血を来たした食道結核の一例

演者 坂本 絢(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 消化器科)
共同演者 桜井 健一(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 消化器科), 松下 郁雄(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 消化器科), 尾田 幸太郎(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 消化器科), 宮山 祐美子(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 消化器科), 西 陽子(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 消化器科), 高野 定(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 外科), 那須 二郎(国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院 外科)
抄録 [はじめに] 食道結核は肺外結核の中でも極めて稀な疾患であり、全結核死中のわずか.0.15%にすぎず頻度は全臓器中で最も低いとされている。今回我々は結核性縦隔リンパ節炎の食道穿破により吐血を来たした食道結核を経験したので報告する。[症例]81歳男性。慢性腎不全で血液透析中に収縮期血圧90台に低下し、その後多量の吐血を認めたため当科紹介。上部消化管内視鏡検査にて中部食道に浅い潰瘍と、頂部に凝血塊の付着した潰瘍を有する表面平滑な粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め、クリッピングによる止血術を施行した。この粘膜下腫瘍はEUSでは第2層の肥厚があり、第2層とは非連続性に筋層外に低エコーの紡錘形の内部均一な腫瘤性病変を認め、食道外の腫瘤性病変による圧排により炎症性に食道粘膜の肥厚を来たしたものと考えた。胸部CTでは食道に隣接した腫瘤性病変の集族を認め、粘膜下腫瘍の本質は腫大した縦隔リンパ節と考えられた。本症例の内視鏡像が食道結核に非常に似ており、CTの所見も考慮すると結核性縦隔リンパ節炎の食道穿破と考えられ、粘膜下腫瘍からの直接生検及び気管支鏡下リンパ節生検を行ったが病理組織診では壊死物質のみで抗酸菌は認めなかった。頸部リンパ節も小豆大に腫脹しており、この頸部リンパ節生検の塗抹鏡検にてガフキー1号を検出し、病理組織診にて抗酸菌を認めた。その後の気管支鏡下生検からの培養にても抗酸菌を認めたため確定診断に至った。[考察]食道結核の内視鏡像は、周提様の周囲粘膜の盛り上がりを伴う不整な潰瘍や、正常粘膜に被われた粘膜下腫瘍の形態をとるものがあり短期間に形態が変化することが特徴である。この内視鏡像が本症例の診断に有用であった。
索引用語 粘膜下腫瘍, 食道潰瘍