| セッション情報 |
一般演題
|
| タイトル |
68:サイトメガロウイルス感染が遷延し治療に難渋した潰瘍性大腸炎の一例
|
| 演者 |
小野 陽一郎(戸畑共立病院) |
| 共同演者 |
宗 祐人(戸畑共立病院), 佐々木 英(戸畑共立病院), 下河辺 正行(戸畑共立病院), 佐伯 友久(佐伯医院), 笹栗 靖之(産業医科大学) |
| 抄録 |
症例は79歳の女性。77歳時に潰瘍性大腸炎(以下、UC)を発症。その後、5-ASA製剤内服による加療を行いながら、再燃と緩解を繰り返し当院および近医でフォローされていた。再燃時にはステロイド(以下、PSL)による加療を加え、緩解導入していた。平成19年4月23日より下血、便回数の増加が出現し、近医受診し、28日よりPSL内服開始(20mg/日~)するも改善みられず、5月2日、当院紹介。症状、諸検査より中等度活動期と診断し、緊急入院。PSL増量(40mg/日~)による加療を開始した。入院後、症状は一旦改善したが、PSL30mg/日に減量すると排便回数、血便の増加がみられた。5月17日に直腸S状結腸内視鏡および無前処置注腸造影(EPBE)を施行し、全大腸に縦走傾向の深掘れ潰瘍、広範な潰瘍を認め、重症UCの所見に加えてサイトメガロウイルス(CMV)感染が疑われた。ペルオキシダーゼ標識抗CMVヒトモノクローナル抗体(C7-HRP、C10、C11)を用いたCMV抗原検索でいずれも陽性を示し、ガンシクロビル(GCV)500mg/日の投与を開始。GCVの2週間の投与と白血球除去療法(LCAP)を併用、PSLは漸減していき、症状は軽快傾向であった。GCV投与中止後に再び臨床症状の増悪、内視鏡においても深掘れ潰瘍、広範潰瘍を認めた。CMV再感染および遷延を疑いGCVを再投与した(CMV抗原は陰性、組織学的にCMV感染疑われる)。GCV投与を約4週間行い、症状および内視鏡像ともに改善を認め、PSL10mg/日の維持量でリハビリテーション目的で関連施設へ転院した。当院退院後もPSL10mg/日、5-ASA製剤投与にて血便もみられず臨床症状は安定し経過中である。CMV感染はUCの治療抵抗性や急性増悪に関与している事が知られている。しかし、CMV感染治療後の長期経過や再感染例などはいまだ報告も少なく、今回、我々はCMV感染が遷延し治療に難渋したUCの一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
| 索引用語 |
潰瘍性大腸炎, サイトメガロウイルス |