セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-58:

長期経過のおえた胃GIST(gastro-intestinal stromal tumor)の一例

演者 上田 理絵(福岡大学筑紫病院 消化器科)
共同演者 西村 拓(福岡大学筑紫病院 消化器科), 別府 孝浩(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科)
抄録 症例は54歳の女性.昭和62年ごろ他院にて胃体上部に隆起病変を指摘され超音波内視鏡検査まで施行され年一回の経過観察と言われるもその後放置.平成6年8月5日検診にて貧血を指摘され、その際施行された胃透視にて体上部に陰影欠損を指摘され、全身倦怠感を認めるため当科初診となる.胃カメラにて体上部小彎に約35mm大でbridging foldを伴う表面平滑な粘膜下腫瘍を認めた.表面にびらんや潰瘍等認めないことなどによりその後は他院にて厳重経過観察となる(超音波内視鏡検査は拒否).平成10年8月7日貧血と粘膜下腫瘍の精査目的で再受診され超音波内視鏡検査施行.第4層由来の粘膜下腫瘍であり筋原性腫瘍と考えられ、サイズに著変ないことより経過観察となる.平成14年9月26日も検診要精査にて当科受診.胃カメラ、胃透視にてもサイズに著変ないことより経過観察となる.その後は不定期に検診を受け異常指摘されるも放置していた.平成19年8月9日近医を検診目的で受診し胃カメラ施行され前述の粘膜下腫瘍指摘され精査目的で平成19年8月24日再度当科紹介受診となる.超音波内視鏡検査では第4層由来で、胃透視では約35mmとサイズに著変認めなかった.当科で観察し得た13年間は著変なく今後も厳重経過観察を行っていくこととした.市丸らはX線検査で胃平滑筋腫瘍の良、悪性の鑑別診断においてdoubling timeが20ヶ月以上のものは全て良性であったとしている.今回の症例のようにサイズが30mmを超えていても慎重な経過観察が可能であれば各種検査を併用し経過観察が可能な症例もあると考えられた.今回我々は長期経過観察できた胃GISTの一例を経験した.粘膜下腫瘍の自然史を知る上で貴重な症例と考えられるため文献的考察をふまえ発表する.
索引用語 胃, GIST