セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-30:

粘膜下腫瘍様形態を呈した大腸寄生虫性肉芽腫の一例

演者 田中 俊行(福岡大学 医学部 消化器内科)
共同演者 冨岡 禎隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 福永 篤志(福岡大学 医学部 消化器内科), 池田 憲治(福岡大学 医学部 消化器内科), 藤田 英治(福岡大学 医学部 消化器内科), 福島 公香(福岡大学 医学部 消化器内科), 志賀 洋(福岡大学 医学部 消化器内科), 渡邉 隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 酒井 真志(福岡大学 医学部 消化器内科), 森田 勇(福岡大学 医学部 消化器内科), 西村 宏達(福岡大学 医学部 消化器内科), 江口 浩一(福岡大学 医学部 消化器内科), 前田 和弘(福岡大学 医学部 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 消化器内科), 二村 聡(福岡大学 病理学), 平野 公一(福岡大学 病理学)
抄録 症例は57歳女性。2007年1月、無症状であったが近医にて定期検査の大腸内視鏡検査を行ったところ、横行結腸に黄白色調の粘膜下腫瘍を指摘された。大腸カルチノイドも否定できず、内視鏡的粘膜切除術を試みられるが切除困難であったため当院に紹介となった。当院での全大腸内視鏡では横行結腸に硬い黄白色調の粘膜下腫瘍を認めた。同部の超音波内視鏡では病変は4層主体の低エコー腫瘤として描出された。内視鏡的切除の可否を確認するため粘膜下に局注を試みるも病変の挙上は悪く、内視鏡的切除は困難と考えられた。十分なインフォームドコンセントを行い、組織学的診断確定のため7月に横行結腸切除術を行った。組織検索の結果、病変は粘膜下層から固有筋層にまたがる単結節で、その大部分は凝固壊死巣から成り、周縁には好酸球、小リンパ球、形質細胞主体の慢性炎症細胞浸潤と膠原化基質を認めた。壊死巣の中心部には形骸化した虫体様構造物を認めた。以上より組織学的に粘膜下腫瘍様形態を呈した寄生虫性肉芽腫と診断した。腸管寄生虫症は大部分が腹痛、下痢などの消化器症状を伴うものが多い。一方、本症例のように無症状で、大腸内視鏡検査時に粘膜下腫瘍様隆起として偶然発見されるもあるが、その頻度は低い。超音波内視鏡検査などの特殊検査でも診断は困難であり、黄白色調の大腸粘膜下腫瘍を診断する上で寄生虫性肉芽腫も鑑別にあげる必要もあると思われた。
索引用語 寄生虫性肉芽腫, 大腸粘膜下腫瘍