| 抄録 |
【症例】74歳 女性【主訴】胸部不快感 動悸【既往歴】12歳 虫垂炎手術 32歳 鼠頸ヘルニア【現病歴】35歳時von Willebrand 病と診断された。以前は鼻出血を認める程度であったがH12年9月より部位不明の下血が出現、内視鏡施行されるも出血部位を確認できず絶食補液、デスモプレシン投与のみで自然止血していた。その後年1回程度の割合で繰り返していたが、H17年7月同様に下血にて入院した際、腹部造影MRIと出血シンチにて回腸よりの出血と診断した。しかし現疾患による手術時の出血のリスクが高いことから経過観察とした。H19年に入り5月6月と続けて下血、Hbの低下を認めたため入院精査加療となった。【入院時身体所見】眼瞼結膜蒼白 その他特記なし【入院時検査所見】【入院時検査成績】WBC 3700/μl, RBC 270x10^4/μl, Hgb 8.1g/dl, Hct 27.2%, PLT 16.1x10^4/μl, Reti 33‰, TP 6.1g/dl, Alb 4.0g/dl, T-Bil 0.7mg/dl, AST 13U/l, ALT 7U/l, LDH 145U/l,ALP 239U/l, BUN 12.2mg/dl, Crea 0.5mg/dl, Na 141mEq/l, K 3.8mEq/l, Ca 9.6mEq/l, フェリチン17.2ng/dl【入院経過】腹部造影CT、腹部造影MRI、出血シンチ施行するも明らかな出血源を認めなかった。異所性胃粘膜シンチグラムにおいても明らかな異常集積認めなかった。以前の造影MRI、出血シンチ併用において回腸に出血源を認めたことから小腸内視鏡を施行した。カプセル内視鏡において明らかな出血源の同定はできなかったが経口的シングルバルーン内視鏡において空腸に2mm大のangioectasiaと思われる発赤を認めAPCにて焼灼した。退院後当院外来おいて経過フォロー中であるが現時点では下血なく、鉄剤の投与のみでHb 13.3g/dlと上昇している。【結語】繰り返す原因不明の消化管出血にシングルバルーン内視鏡が有効であった症例を経験したので報告した。 |