| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 20:HBs抗原陽性ALT正常症例の自然経過 |
| 演者 | 大谷 正史(上五島病院 内科) |
| 共同演者 | 辻 研一郎(上五島病院 内科), 長山 拓希(上五島病院 内科), 松本 吏弘(上五島病院 内科), 山崎 一美(奈良尾病院), 白濱 敏(有川病院) |
| 抄録 | 【目的】B型肝炎はALT変動が起こり、肝病変の進行が予想されるとき治療の対象となる。今回我々はHBs抗原陽性で初診時ALT正常の症例におけるALT変動を予想できないか検討した。【対象】1983年1月から1999年までに当院でHBs抗原陽性が確認された1444例のうち初診時ALT40未満で肝炎治療の既往がなく、肝癌を認めず、複数回ALTを測定できた490例(男性255例 女性235例、初診時平均年齢46歳、血小板18万以上298例 12万から18万155例 12万未満37例 HBe抗原陽性96例)【方法】ALT40以上を肝機能増悪としたときの累積増悪率と増悪に寄与する因子を検討した。検討した因子は性別、初診時年齢、アルコール飲酒歴、初診時ALT値、ALB値、血小板値、HBe抗原、HBVDNA量(TMA法、PCR法)。平均観察期間は6年3ヶ月。【成績】累積増悪率は5年32%、10年50%、15年65%、20年72%であった。HBe抗原で分類するとHBe抗原陽性vs陰性で5年増悪率は49%vs28%、10年で72%vs47%、20年では97%vs68%(p=0.0001)。ALT値では、ALT20以上vs20未満では5年で50%vs23%、10年77%vs39%、20年83%vs67%(p<0.0001)。HBVDNAでは5年増悪率は70%vs15%(P=0.0001)であった。その他、単変量解析では性別、初診時年齢が増悪しやすい有意な因子となったが、多変量解析(Cox比例ハザードモデル)を行うと独立因子は初診時HBe抗原(陽性、RR:4.234 p<0.0439)、初診時ALT(<20、RR:2.99p=0.026)、HBVDNA量(>4.5log、RR:4.236 p=0.007)であった。【結論】HBsAg陽性者では、初診時に肝機能が正常例でも10年の経過では約50%がトランスアミナーゼの変動をきたす。特にHBe抗原陽性、ALT20以上、HBVDNA4.5以上の症例ではそのリスクが高く、治療導入のタイミングを見定めるために厳重な経過観察が必要となる。 |
| 索引用語 | HBs抗原陽性, 肝機能正常 |