セッション情報 シンポジウム1

タイトル S1-10:

クローン病におけるinfliximabの早期投与および緩解維持治療の有効性の検討

演者 山本 章二朗(宮崎県立延岡病院 内科)
共同演者 岩切 久芳(宮崎県立延岡病院 内科)
抄録 【背景・目的】近年、クローン病に対する内科治療としては、従来の栄養療法、薬物療法に加えてinfliximab(以下IFX)による治療がなされる症例が増えており、その有効性は既存治療より高いといわれており、欧米においては、より早期にIFXを投与する治療(Top-dowm療法)の有効性が示されている。しかし本邦においてはどのタイミングでIFXを使用するかは一定の見解が得られていない。また緩解維持治療としてのIFXの有効性についても不明である。このため今回クローン病診断後早期にIFX投与を行い、その後計画的な緩解維持治療を施行し、その有効性について検討した。【対象】当科で内科治療を施行したクローン病は39例で、そのうち診断後3ヶ月以内に緩解導入のため、外瘻の有無にかかわらず、0週、2週、6週でIFX投与を行い、以後8週毎の計画的維持治療を1年以上継続した症例は5例であった。この5例を他の症例と比較した。IFX早期投与・緩解維持治療群をA群、その他の群をB群とした。年齢はA群が若い傾向にあり、経過はB群が長かったが、性差はなく、病型にも有意な差はなかった。【成績】A群は1年後もすべて緩解状態が保たれており、追加治療、入院、手術などを要した症例はなかった。一方、B群では1年後の緩解維持率は66.7%であり、1年以内に追加治療、入院などを要した症例が多かった。B群のうち、経過中に51.5%の例で手術を要した。またB群の中で、経過中に病状が増悪し、このためIFX治療を施行した例は6例であったが、そのうち3例がその後手術を要した。【結論】症例数が少なく、かつ緩解維持の観察期間も1年という比較的短期間ではあるが、クローン病診断後早期にinfliximabを投与し、その後計画的維持治療を行うことは既存治療と比較し、有効であると思われた。
索引用語 クローン病, infliximab