セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-41:

術前診断に難渋した十二指腸乳頭部カルチノイドの1例

演者 入佐 剛(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 浦田 淳資(済生会熊本病院 消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院 消化器病センター), 瀬戸山 博子(済生会熊本病院 消化器病センター), 尾崎 徹(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院 消化器病センター), 富安 真二郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 金光 敬一郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院 消化器病センター)
抄録 【症例】63歳、男性。【主訴】自覚症状なし。【既往歴】50歳代より糖尿病(食事療法のみ)。【家族歴】特記事項なし。【現病歴】当初近医にて上部消化管内視鏡検査を施行された際に、胃の隆起病変を指摘された。その後、別の病院に紹介されたが、指摘された病変は不明瞭であったが、十二指腸乳頭部の腫大を指摘され、生検にてadenomaの診断であったため、十二指腸乳頭部腫瘍の治療目的にて当院紹介され入院となった。【術前検査】入院時内視鏡検査での乳頭部の観察時では正常粘膜下腫瘤様形態を示し、鉗子で押すと弾性硬であった。消化器X線検査では十二指腸乳頭部に径17mmの粘膜下腫瘤様の陰影を認めた。超音波内視鏡検査では腫瘤は低エコーの充実性病変で、腫瘤の一部は十二指腸固有筋層と胆管浸潤の疑いがあった。しかしERCP所見では胆管、膵管への腫瘍浸潤を認めなかった。この時の乳頭部深部生検ではS-100蛋白(―)、Chromogranin A(+)、synaptophysin(++)であり、gangliocytic paragangliomaが強く疑われた。以上の所見から、同病変はAcまたはAb領域から発生し、粘膜下腫瘤様形態を示す疾患で、内視鏡的十二指腸乳頭部腫瘍切除治療では病変の完全切除は困難と判断し、幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した。【結果】病理所見では、クロマチンの増量した均一類円形核と好酸性の広い細胞質を有する腫瘍細胞が充実胞巣状に増殖していた。また、大型の神経節細胞はみられず、gangliocytic paragangliomaは否定的であった。免疫組織学的にもS-100蛋白陽性の支持細胞ははっきりせず、最終病理診断はカルチノイドと診断した。【考察】カルチノイドは神経内分泌細胞由来の低悪性度腫瘍で、消化管では胃や直腸が好発部位であり、今回術前診断に難渋した十二指腸カルチノイドを経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 十二指腸乳頭部腫瘍, カルチノイド