| 抄録 |
原発性硬化性胆管炎(PSC)は原因不明の胆道疾患であるが、病変は肝内胆管あるいは肝外胆管のみにとどまり、次第に小葉間胆管、隔壁胆管、区域胆管は線維性瘢痕に置換される。また、診断は胆道造影などの画像所見に基づくことが多い。今回肝生検組織にて経過を追えたPSCの1例を経験したので報告する。 症例は63才女性。糖尿病で当院糖尿病センター通院中であったが、肝機能障害が持続するため精査加療目的で2005/6当科紹介となった。血液検査所見では、TP:6.9 g/dl, Alb:4.3 g/dl, TBil:0.8 mg/dl, AST:46 IU/L, ALT:62 IU/L, LDH:466 IU/L, ALP:280 IU/L, γGTP:408 IU/L, PLT:20.7万/mm3, ANA×80, AMA陰性, HBsAg-, HCVAb-, CEA:3.0 ng/ml, AFP:4.1 ng/mlで、CT,MRI等の画像上は脂肪肝および総胆管狭窄を認めたが肝内胆管の拡張は見られず、肝生検では脂肪肝の所見のみであった。2005/9、ERCP施行し総胆管の高度狭窄をみとめたが肝内胆管の拡張は比較的軽度で胆汁細胞診は陰性であった。その後2006/1および2007/2のMRCPでも同様に総胆管の高度狭窄を認めたが肝内胆管の拡張はあまりなく、経過より悪性胆道狭窄よりもPSC等の炎症性疾患が疑われUDCA内服開始となり肝機能の改善を認めた。しかし、2007/8に再び肝機能の増悪を認めたため精査加療目的に入院、9月に肝生検施行し、特徴的なonion-skin appearanceの所見が得られPSCと診断された。 |