セッション情報 一般演題

タイトル 69:

顆粒球除去療法等の集学的治療にて手術を回避し得た重症型潰瘍性大腸炎の1小児例

演者 原田 拓(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科)
共同演者 安倍 弘生(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科), 三池 忠(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科), 楠元 寿典(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科), 田原 良博(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科), 蓮池 悟(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科), 永田 賢治(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科), 下田 和哉(宮崎大学 医学部付属病院 第二内科)
抄録 症例は12歳,女性.2005年9月頃より腹痛,血便を認めていたが特に加療しなかった.2006年9月精査目的で近医小児科入院となり,下部消化管内視鏡施行され直腸から横行結腸中央付近まで炎症所見を認め,病理組織所見と合わせて潰瘍性大腸炎と診断された.絶食,ペンタサ内服,ステロイド静脈投与,ステロイドパルス療法を施行されたが症状は増悪し,ステロイド抵抗性であったため,精査加療目的で11月13日当科入院となった.入院時,顕血便あり,体温37.7℃,Hb 6.3g/dL,ESR 33mm/h,排便回数6回以上であり,臨床的重症度は重症と考えられた.翌日より38℃台の発熱が出現,血液培養にてMSSA が検出され,C7HRP陽性であった.また、急速な貧血の進行がありMAP4Uの輸血が必要であった.全身状態悪く,早急に外科的治療に踏み切る必要があると考えられたが,家族の同意が得られず,内科的治療を継続することとなった.絶食とし,感染に対し抗生剤,Ganciclovirの投与を行い,無効と考えられたプレドニゾロンは漸減した.11月下旬に感染症状は改善したが,下血,泥状便は持続したため,11月28日より顆粒球除去療法(GCAP)を 開始し,2クール計10回施行した.12月13日にはAzathioprine の併用も開始した.GCAP施行後,下血量は減少し,便性状も改善し有形便となり,腹痛などの症状も改善した.2007年1月中旬には臨床的重症度は軽症となったため1月20日軽快退院となった.本邦において小児のUCは徐々に増加傾向にあり,また発達段階にある小児へのステロイドの長期投与には様々な問題が生じるため,白血球除去療法は今後小児例に対しても積極的に検討すべき治療法と考えられる.しかし,小児に対する白血球除去療法の報告は少なく,その評価は一定していない.本症例ではGCAPを安全に施行でき,有効と考えられたため,文献的考察も含め報告する.
索引用語 小児, 顆粒球除去療法