| 共同演者 |
柏原 由美(原三信病院), 山田 隆史(原三信病院), 兼城 三由紀(原三信病院), 中村 典資(原三信病院), 松坂 浩史(原三信病院), 名本 真章(原三信病院), 永瀬 章二(原三信病院), 千々岩 芳春(原三信病院), 橋爪 健太郎(原三信病院), 江口 徹(原三信病院), 河野 眞司(原三信病院) |
| 抄録 |
魚骨刺入による膿瘍形成を伴ったS状結腸癌の一例原三信病院 消化器科1),原三信病院 外科2),原三信病院 病理部3)岡本梨沙,柏原由美,山田隆史,兼城三由紀,中村典資,松坂浩史,名本真章,永瀬章二,千々岩芳春1),橋爪健太郎,江口徹2),河野眞司3)症例は62歳女性。平成19年5月3日頃から左下腹部痛および便通異常,血便を自覚し5月21日に近医を受診。S状結腸内視鏡検査にて肛門輪より20cmの部位に全周性の狭窄病変を認め,S状結腸癌の疑いで同日当院紹介受診した。初診時左下腹部に圧痛を伴う5cm程の腫瘤を触知し,血液検査で白血球数13000/μl,CRP 9.4mg/dlと炎症反応高値であった。腹部CTにてS状結腸に全周性の狭窄を示す数cm大の腫瘤を認め,腫瘍本体の腹側の脂肪組織が著明に混濁し塊状となっており,強い炎症を伴っていると考えられた。また腸間膜や腹部大動脈周囲に径1cm前後のリンパ節を多数認めた。大腸内視鏡検査では病変は全周性狭窄を呈する2型の進行癌であり,生検でGroup5,中分化型腺癌の診断であった。注腸造影検査ではS状結腸から下行結腸にかけてapple coreの所見を認め,ガストログラフィンを骨盤内回腸まで進めると,腫瘍近傍の回腸が円弧状に圧排されており,癌に付随する炎症性腫瘤の存在が考えられた。以上よりS状結腸癌の診断で5月30日にS状結腸切除術,リンパ節郭清(D2+α),小腸部分切除術を施行した。切除標本の肉眼所見ではS状結腸に径6.5cmの2型腫瘍を認め,漿膜側には小腸が強固に癒着していた。小腸粘膜には異常は認めなかった。術後病理組織検査で深達度はSSであり,漿膜下層には膿瘍を伴っていた。腫瘍の中心部に長さ3cm程度の魚骨の刺入を認め,先端は漿膜下層にまで達しており,魚骨の穿通による膿瘍形成と考えられた。リンパ節転移は認めなかった。今回我々は魚骨刺入による膿瘍形成を伴ったS状結腸癌の一例を経験したので報告する。 |