セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-32:

魚骨刺入による膿瘍形成を伴ったS状結腸癌の一例

演者 岡本 梨沙(原三信病院)
共同演者 柏原 由美(原三信病院), 山田 隆史(原三信病院), 兼城 三由紀(原三信病院), 中村 典資(原三信病院), 松坂 浩史(原三信病院), 名本 真章(原三信病院), 永瀬 章二(原三信病院), 千々岩 芳春(原三信病院), 橋爪 健太郎(原三信病院), 江口 徹(原三信病院), 河野 眞司(原三信病院)
抄録 魚骨刺入による膿瘍形成を伴ったS状結腸癌の一例原三信病院 消化器科1),原三信病院 外科2),原三信病院 病理部3)岡本梨沙,柏原由美,山田隆史,兼城三由紀,中村典資,松坂浩史,名本真章,永瀬章二,千々岩芳春1),橋爪健太郎,江口徹2),河野眞司3)症例は62歳女性。平成19年5月3日頃から左下腹部痛および便通異常,血便を自覚し5月21日に近医を受診。S状結腸内視鏡検査にて肛門輪より20cmの部位に全周性の狭窄病変を認め,S状結腸癌の疑いで同日当院紹介受診した。初診時左下腹部に圧痛を伴う5cm程の腫瘤を触知し,血液検査で白血球数13000/μl,CRP 9.4mg/dlと炎症反応高値であった。腹部CTにてS状結腸に全周性の狭窄を示す数cm大の腫瘤を認め,腫瘍本体の腹側の脂肪組織が著明に混濁し塊状となっており,強い炎症を伴っていると考えられた。また腸間膜や腹部大動脈周囲に径1cm前後のリンパ節を多数認めた。大腸内視鏡検査では病変は全周性狭窄を呈する2型の進行癌であり,生検でGroup5,中分化型腺癌の診断であった。注腸造影検査ではS状結腸から下行結腸にかけてapple coreの所見を認め,ガストログラフィンを骨盤内回腸まで進めると,腫瘍近傍の回腸が円弧状に圧排されており,癌に付随する炎症性腫瘤の存在が考えられた。以上よりS状結腸癌の診断で5月30日にS状結腸切除術,リンパ節郭清(D2+α),小腸部分切除術を施行した。切除標本の肉眼所見ではS状結腸に径6.5cmの2型腫瘍を認め,漿膜側には小腸が強固に癒着していた。小腸粘膜には異常は認めなかった。術後病理組織検査で深達度はSSであり,漿膜下層には膿瘍を伴っていた。腫瘍の中心部に長さ3cm程度の魚骨の刺入を認め,先端は漿膜下層にまで達しており,魚骨の穿通による膿瘍形成と考えられた。リンパ節転移は認めなかった。今回我々は魚骨刺入による膿瘍形成を伴ったS状結腸癌の一例を経験したので報告する。
索引用語 魚骨, 結腸癌