セッション情報 一般演題

タイトル 96:

ダブルバルーン内視鏡にて診断し腸重積の解除を行った転移性小腸腫瘍の一例

演者 村山 貴信(宮崎医療センター病院)
共同演者 児玉 眞由美(宮崎医療センター病院), 宮内 明美(宮崎医療センター病院), 沼田 政嗣(宮崎医療センター病院), 坂元 秀壮(宮崎医療センター病院), 岩満 章浩(宮崎医療センター病院), 堀 剛(宮崎医療センター病院), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 症例は69歳男性。2002年9月に肝細胞癌に対する肝切除術を施行された。しかし、その後再発を繰り返し、当院にてラジオ波焼灼療法や肝動注化学療法を行っていた。2004年12月には肺転移、2005年6月には上顎骨転移を認め上顎骨切除術を施行された。また、2006年9月には脳転移に対する放射線治療が行われ、引き続き化学療法を行う予定であったが治療を自己中断された。2007年5月より食欲不振、嘔気、嘔吐が出現し、6月4日当院を受診し精査加療目的で入院した。入院時の腹部レントゲン、腹部エコーでは著明な胃拡張を認めた。6月11日上部消化管内視鏡を行い胃内には大量の胃液貯留を認めた。6月13日の上部消化管内視鏡では著明な胃拡張に加え、十二指腸水平部まで腸管は拡張していた。同部位からのガストログラフィン造影にてトライツ靭帯を超えてすぐの上部空腸にカニ爪状の像がみられた。6月14日の腹部エコーにて左上腹部にtarget signを認め、腹部CTでは左上腹部に同心円状の多層構造を認め、腸重積と診断した。6月18日腸重積の原因精査および重積解除目的にて経口的アプローチによるダブルバルーン内視鏡(DBE)を施行した。トライツ靭帯を超えてすぐの上部空腸は狭小化していたが、内視鏡通過は可能であった。DBEにより重積を解除すると、表面に潰瘍形成を伴ったφ42mm大の腫瘍を認め小腸の腫瘍性病変を先進部とした腸重積と診断した。病理組織学的には索状あるいは腺状構造を形成した類上皮細胞の増殖を認め胆汁うっ滞を伴っていた。免疫染色にてHEP-PAR1陽性であり肝細胞癌の小腸転移と診断した。全身転移を伴う肝細胞癌であり食事制限のみで保存的に経過観察を行い、嘔気、嘔吐なく経過していたが、7月9日腸重積を再発した。7月11日経口的挿入によるDBEを行い、内視鏡先端バルーンによる重積解除を行った。今回我々はDBEにて診断し、腸重積の解除を行った転移性小腸腫瘍の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 ダブルバルーン内視鏡, 転移性小腸腫瘍