セッション情報 一般演題

タイトル 182:

検診で指摘された無症状胆嚢結石症の自然経過

演者 長山 拓希(上五島病院 内科)
共同演者 辻 研一郎(上五島病院 内科), 大谷 正史(上五島病院 内科), 松本 吏弘(上五島病院 内科), 山崎 一美(奈良尾病院 内科), 白濱 敏(有川病院 内科)
抄録 【目的】検診の普及により症状がなくても検査を受ける機会が多くなりその結果、無症状の胆石がより多く発見されるに従って、胆嚢摘出の手術件数も年々増加してきている。今回我々は、胆嚢結石症の自然経過、症状発症のリスク因子を明らかにし、予防的胆嚢摘出の適応について検討した。【対象】胆石症状の既往がなく、1997年1月から2006年12月までの10年間に上五島病院における検診(住民検診および事業所検診)で腹部エコーを施行し、胆石を指摘された304例(男性160例、女性144例、平均年齢62歳、BMI平均値23.9)。【方法】検診発見時を観察開始日とし、疝痛発作や急性胆嚢炎などの合併症が出現した時点をエンドポイントとし、累積発症率、発症に関わる因子を検討した。検討した因子は、診断時年齢、性別、BMI、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症)の有無とした。また、胆石による死亡、胆嚢摘出による死亡、胆嚢癌の発生についても検討した。平均観察期間は3年3か月であった。【成績】累積発症率は5年で10.7%、10年で18.2%であり、年率1.8%の発症率であった。発症に関わる因子は、初診時年齢で分けると、65歳以上では5年で15.3%、10年で25.8%であり、65歳未満では5年で6.0%、10年で11.2%で有意に65歳以上の発症が多かった。その他性別、BMI、生活習慣病の有無では有意差を認めなかった。また、経過観察中に胆石による死亡は認めず、今回の対象者の中では胆嚢癌の発生は画像診断上、切除後の病理組織でも認めなかった。【結論】無症状胆嚢結石症において、症状や合併症が生じる頻度は年率1.8%であり、10年間で約80%の症例は無症状で経過する。また、胆嚢癌の発生は認めず、胆石の合併症発症後に切除しても死亡例はなく、症状がない胆石に予防的な胆嚢摘出を積極的に行う理由は乏しいと考えられる。
索引用語 検診, 無症状胆石症