セッション情報 一般演題

タイトル 81:

直腸Dieulafoy潰瘍の5例

演者 尾石 義謙(福岡県済生会八幡総合病院 内科)
共同演者 神田 基信(福岡県済生会八幡総合病院 内科), 丸山 哲矢(福岡県済生会八幡総合病院 内科), 松本 主之(九州大学病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学病態機能内科学)
抄録 直腸Dieulafoy潰瘍は比較的稀な疾患であり、大量の出血に比べ病変が小さいことから、内視鏡診断が必ずしも容易ではない。我々は2004年2月から2007年7月の間に、直腸Dieulafoy潰瘍の5例を経験したので、その臨床的背景について検討を行った。年齢は57歳から90歳(平均72歳)。男性2例、女性3例。主訴は全例新鮮血下血。基礎疾患としては血液透析患者2例。脳梗塞、心筋梗塞、心房細動、関節リウマチが各1例ずつあり、整形外科的手術後で臥床期間が長かったものが2例であった。抗血小板薬ないし抗凝固薬を服用中であったものは3例。出血部位は全例直腸Rbであり、観察時には4例に活動性の出血を認めた。止血方法は全例クリッピングを行い、クリッピングのみで3例が止血され、クリッピング後に再出血し外科的に結紮縫合したものが2例であった。輸血は2例に対し施行した。Dieulafoy潰瘍は粘膜下層の先天的に太い動脈の破綻によるとされている。自験例では、末期腎不全や動脈硬化性疾患、抗血小板薬、抗凝固薬の服用、長期臥床などが要因となって発症した可能性が考えられる。
索引用語 直腸Dieulafoy潰瘍, 出血