セッション情報 一般演題

タイトル 136:

乳癌術後17年目にBorrmann4型類似の胃転移を認めた一例

演者 原口 和大(北九州市立医療センター 消化器内科)
共同演者 貞元 洋二郎(北九州市立医療センター 消化器内科), 杣田 真一(北九州市立医療センター 消化器内科), 奈須 俊史(北九州市立医療センター 消化器内科), 井原 裕二(北九州市立医療センター 消化器内科), 三澤 正(北九州市立医療センター 消化器内科), 光山 昌珠(北九州市立医療センター 外科), 山本 一郎(北九州市立医療センター 病理), 豊島 里志(北九州市立医療センター 病理)
抄録 【症例】72歳、女性【主訴】胃不快感【既往歴】57歳時 左乳癌手術、65歳時 胃潰瘍【現病歴】平成2年4月、左乳癌にてLt. radical mastectomyを施行。術後病理診断は、Invasive ductal carcinoma(scirrhous type), f, n (15/22), ER(+)であった。術後補助療法として、Total 50Gyの放射線療法及びTAM + tegafurの内服による化学療法が行われ、以後経過観察されていた。平成13年6月、貧血が進行し、骨髄穿刺にてdry tapであり、骨髄生検にて乳癌の骨髄転移と診断され、TAM内服開始となった。平成17年2月、諸検査にて骨転移、肺転移を指摘された。同年8月、嚥下困難が出現し、EGDにて中部食道の狭窄を認め、食道転移を疑われたが、通常生検及びEUS-FNAでの生検にて悪性所見は認めず経過観察となった。平成19年3月、全身痙攣が出現し、MRIにて脳転移を指摘され、γ-knife手術を施行された。同年6月、胃不快感あり、EGDを施行した。【検査所見】EGDにて後壁を中心に胃角部から穹窿部にかけて発赤・肥厚した粘膜、粘膜ヒダの腫大を認め、4型進行癌を疑う所見であった。EUSでは胃壁の層構造は保たれたまま、各層が肥厚しており、4型進行癌に矛盾しない所見であった。通常生検では悪性所見認めず、ボーリング生検にて再検したところ、ER(+), pgR(+)の悪性細胞を認め、乳癌の胃転移と診断した。【考察】 転移性胃腫瘍の原発臓器としては、食道、乳腺、膵、肺などが多く、典型的にはbull’s eye signと呼ばれるSMT様隆起やタコイボびらんを呈するのが特徴である。医学中央雑誌にて検索したところ、本邦では24例の乳癌の胃転移の報告があり、その内7例が本症例と同様にBorrmann4型類似の胃転移であった。乳癌の胃転移においてはBorrmann4型類似の肉眼像を呈する症例が比較的多く、4型進行胃癌との鑑別に注意を要すると考えられた。
索引用語 転移性胃腫瘍, 乳癌