セッション情報 一般演題

タイトル 74:

大腸狭窄を来たした炎症性腸疾患の一例

演者 藤岡 審(九州大学 大学院 病態機能内科学)
共同演者 松本 主之(九州大学 大学院 病態機能内科学), 森山 智彦(九州大学 大学院 病態機能内科学), 城 由起彦(九州大学 大学院 病態機能内科学), 田辺 嘉高(九州大学 大学院 臨床・腫瘍外科), 植木 隆(九州大学 大学院 臨床・腫瘍外科), 具嶋 正樹(九州大学 大学院 形態機能病理学), 八尾 隆史(九州大学 大学院 形態機能病理学), 飯田 三雄(九州大学 大学院 病態機能内科学)
抄録  症例は70歳代、女性。昭和57年にサルコイドーシス、平成15年に慢性好酸球性肺炎と診断されステロイドを内服していた。平成18年11月頃より便秘がちになったため緩下剤を内服したところ、強い腹痛と黒色泥状便を認めた。1週間ほどで腹痛は改善したが軟便傾向が続くため、平成19年2月に当科を受診した。下部消化管内視鏡検査で横行結腸脾彎曲部に全周性の結節状隆起を認め、狭窄のためスコープは口側へ通過しなかった。また、狭窄部のすぐ肛門側には縦走潰瘍瘢痕を認めた。悪性腫瘍を疑い狭窄部より生検を行ったがGroup1であった。注腸X線造影検査および順行性大腸X線造影検査を行ったところ、横行結腸左側から脾彎曲部にかけて8cmにわたる全周性狭窄と辺縁に多発する結節性隆起を認め、狭窄内部には縦走潰瘍の存在が疑われた。狭窄部よりの生検で腫瘍細胞は検出されなかったが、狭窄症状の改善および診断のために同年3月に当院外科で腹腔鏡補助下横行結腸切除術とD2リンパ節郭清術を施行した。病理組織では非腫瘍性病変であるが虚血性変化に乏しく、類上皮肉芽腫も認めず潰瘍性大腸炎も否定的であることより、炎症性腸疾患に伴う狭窄と診断された。手術後6ヶ月の下部消化管内視鏡検査では回盲弁近傍にアフタ様小潰瘍が散在し、盲腸から吻合部口側には軽度の血管透見の乱れとともに発赤と褪色が混じた粗造粘膜を認めた。注腸造影検査では同部の粘膜は荒廃し、ハウストラが消失している一方、吻合部より肛門側には明らかな異常所見を認めず、区域性の炎症性腸疾患と判断した。
診断に苦慮した炎症性腸疾患の症例であり、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 炎症性腸疾患, 狭窄