セッション情報 シンポジウム3

タイトル S3-07:

B型慢性肝炎における抗ウイルス治療の現状

演者 姫野 克郎(大分大学 医学部 消化器内科)
共同演者 清家 正隆(大分大学 医学部 消化器内科), 本田 浩一(大分B型肝炎研究会), 一木 康則(大分B型肝炎研究会), 森 哲(大分B型肝炎研究会), 加藤 有史(大分B型肝炎研究会), 室 豊吉(大分B型肝炎研究会), 寺尾 英夫(大分B型肝炎研究会)
抄録 【目的】B型慢性肝炎の抗ウイルス剤導入に関して、当科では大分県内の肝臓病専門施設と協力し、大分B型肝炎研究会の登録症例として治療経過を追ってきた。ラミブジンが保険適応となって7年が経過しつつあり、2007年7月現在の登録症例は183例となったが、経過良好な症例も多くある反面、長期投与による耐性株の出現やBreakthrough hepatitis(BTH)症例、アデフォビル投与症例も増加してきている。さらにエンテカビルの使用症例も増加し、B型慢性肝炎の治療は大きく進歩した。今回、この登録症例からB型慢性肝炎の抗ウイルス治療の現状を解析した。【対象】B型慢性肝炎(肝硬変を含む)に対し、ラミブジンを導入した183例。男:女=135:48、CH:LC=106:77、平均年齢 51.3才、平均治療期間39.6ヶ月。HBe抗原+:±:-=99:4:76(n=179)、HBVDNA中央値7.0 log copy or LGE/ml(n=162)。【検討項目】(1)ラミブジン導入目的、(2)ラミブジン耐性株出現率、(3)BTHに対するアデフォビルの治療効果、(4)死亡例、(5)中止例。【結果】(1)慢性肝炎・肝硬変制御のための導入165例(90%)、HCC治療に際する導入14例(7%)、免疫抑制剤・抗癌剤投与後の増悪に対する導入4例(3%)であった。(2)ラミブジン1年以上継続した168例(平均治療期間42.6ヶ月)のうち耐性株出現は80例(47.6%)に見られた。耐性株出現率は1年目25%、2年目27%、3年目15%、4年目7%、5年目以降7%であった。(3)耐性株出現80例のうち63例(78%)にアデフォビルが追加された。アデフォビル追加後のHBVDNA陰性化率は平均投与期間16.7ヶ月で63%であった。陰性化の3例に再陽性化がみられた。(4)死亡例は24例でうち癌死が16例、ラミブジン導入初期の肝不全死2例、耐性株による肝不全死を3例認めた。(5)ラミブジン中止可能例は15例で、うち7例はHBVDNA陰性化持続していた。【考察】B型慢性肝炎に対するラミブジン投与により約半数は耐性株出現により何らかの対応が必要となっている。アデフォビル追加後のHBVDNA非陰性化例・再陽性化例もみられるようになり、今後はこれらの対応が重要な課題となると思われる。また、ラミブジン継続例においてはエンテカビルへの変更も検討課題であり、現状を考察する。
索引用語 ラミブジン, B型慢性肝炎