| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 19:巨大肝嚢胞により右心系が高度に圧排され低酸素血症を来した一例 |
| 演者 | 高橋 宏和(佐賀大学医学部付属病院内科) |
| 共同演者 | 水田 敏彦(佐賀大学医学部付属病院内科), 大座 紀子(佐賀大学医学部付属病院内科), 有尾 啓介(佐賀大学医学部付属病院内科), 河口 康典(佐賀大学医学部付属病院内科), 琴岡 憲彦(佐賀大学医学部危機管理医学講座), 江口 有一郎(佐賀大学医学部付属病院内科), 藤本 一眞(佐賀大学医学部付属病院内科) |
| 抄録 | 【はじめに】肝嚢胞は通常無症状であり治療を要しないが、巨大化し、圧迫による腹痛や胆道閉塞などを併発した場合には、外科的治療やエタノールなどの注入により嚢胞の縮小化が必要とされる。今回我々は肝嚢胞により高度に右心系が圧排され、低酸素血症を来した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。【病歴】症例は81歳女性。2004年ごろから亀背が強くなり、杖歩行であった。また同時期より労作時の呼吸困難を自覚していた。2006年10月頃から安静時にも呼吸困難を認めていた。2007年4月10日に性器出血を認め近医産婦人科を受診。経膣超音波で子宮頸部に腫瘤を認め当院産婦人科に紹介され入院。子宮頸癌stage 3Bの診断で放射線治療開始となった。入院後も呼吸困難は顕著で、SPO286%と低酸素血症を認めた。転移巣検索の胸腹部CTで肝嚢胞による右心系の著明な圧排を認め、精査加療目的に内科に転科となった。【身体所見、検査所見】血圧122/66mmHg、脈拍 71 bpm、整。体温 36.6 ℃、意識は清明。頚部静脈怒張なし。呼吸音に異常なく、心音は3音、4音および心雑音は聴取せず。腹部に異常所見なし。チアノーゼ、ばち指、浮腫などは認めない。血液検査で貧血なく、凝固系検査、生化学検査で特記すべき異常は認めなかった。血液ガス検査で、安静時pCO2 42.0 mmHg、pO2 76.9 mmHg、労作時pCO2 35.1 mmHg、pO2 55.2 mmHgと低酸素血症を認めた。腹部超音波、腹部CTで肝S4に径7cmの嚢胞認め、頭側に突出しており、右心系を著明に圧排していた。心エコーで右心室、右心房の変形あり、右室流入路の狭小化を認め、右室流入路最高血流速度は127cm/sと増大していた。【経過】6月18日経皮経肝的にドレナージを施行。嚢胞造影では胆管との交通を認めなかったため、無水エタノールを5日間で計50ml注入したところ、嚢胞は縮小した。血液ガス検査でも労作時pO282.2mmHg,pCO240.3mmHgと改善を認めた。【考察】肝嚢胞により心臓へ圧迫症状を来たすことは極めて稀である。嚢胞の部位、大きさに加えて、加齢に伴う横隔膜の弛緩や亀背による胸部の圧迫が本症例の病態に関与していると考えられた。 |
| 索引用語 | 肝嚢胞, 右心系圧迫 |