セッション情報 一般演題

タイトル 153:

汎血球減少、脾腫を契機に診断された先天性肝線維症の一例

演者 中村 憲一(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学)
共同演者 蓮池 悟(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 楠元 寿典(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 山路 卓巳(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 三池 忠(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 安倍 弘生(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 田原 良博(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 永田 賢治(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 下田 和哉(宮崎大学 医学部 内科学講座消化器血液病学), 池永 直樹(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 大谷 和広(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 千々岩 一男(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 松田 俊太郎(宮崎大学 医学部 病理学講座構造機能病態学分野), 丸塚 浩助(宮崎大学 医学部 病理学講座構造機能病態学分野)
抄録 【はじめに】先天性肝線維症は常染色体劣性遺伝を示し、小葉間胆管レベルでの胆管板形成異常が発症メカニズムと考えられている。【症例】症例は22歳女性。中学2年生時検診にて白血球・血小板減少指摘され、当院小児科にて経過観察されていた(中2時:WBC 2,400、Hb 12.9、Plt 8.1万、高1時:WBC 3,100、Hb 12.5、Plt 7.8万)が親の転勤を機会に自己中断していた。21歳時に月経不順にて産婦人科を受診。汎血球減少を指摘され、H18年5月に関西地区の大学病院血液内科を受診した。精査の結果、再生不良性貧血と診断された。地元での加療希望があり、本年2月7日当科初回入院となった。既往歴、生活歴、家族歴には特記事項なし。入院時身体所見では身長156.5cm、体重 54.8kg、BMI 22.4、結膜に貧血、黄疸なく、肝・腎・脾は触知しなかった。下腿浮腫はなく、皮膚に紫斑、くも状血管腫・手掌紅斑は認めなかった。 [CBC] WBC 1900 /μl、Hb 10.8 g/dl、Plt 6.1万/μl、[凝固] PT 56%、[生化]TP 7.31 g/dl、Alb 4.59 g/dl、T-Bil 1.5 mg/dl、D-Bil 0.4 mg/dl、AST 15 IU/l、ALT 19 IU/l、LDH 125 IU/l、γ-GTP 54 IU/l、ALP 70 IU/l、CHE 200 IU/l、[血清]HBs抗原(-)、HBs抗体(-)、HCV抗体(-)、IgG 1325 mg/dl、IgA 175 mg/dl、IgM 121 mg/dl、フェリチン 18.3 ng/ml、ANA(-)、AMA(-)、ICG(R15) 11%、ヒアルロン酸 29ng/ml、血清銅 77μg/dl、セルロプラスミン 19mg/dl、尿中銅 81μg/l、抗HLA抗体/抗血小板抗体(-)、CD55/59欠損無し。腹部エコーにて脾腫、側副血行路の発達、GFにて食道胃静脈瘤(Lm, F2,Cw, RC1, Lg-c, F1, Cw, RC1, E(-))を認めた。骨髄は低形成であり、骨髄シンチは正常であった。慢性肝疾患を疑い肝生検を施行、病理学的に胆管増生とそれを取り囲む線維成分を認め、先天性肝線維症と診断した。食道胃静脈瘤に対し硬化療法を行い、当院第1外科にて脾摘を施行した。術後、汎血球減少は改善し、当科外来にて経過観察中である。【まとめ】先天性肝線維症は門脈圧亢進症をしばしば認め、肝硬変と誤診されることがあるが、肝細胞機能は保たれており通常予後の良い疾患である。今回我々は、汎血球減少、脾腫を契機に先天性肝線維症と診断された一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 先天性肝線維症, 汎血球減少