セッション情報 シンポジウム2

タイトル S2-08:

早期食道癌のESD -治療成績・治療後経過の検討-

演者 貞元 洋二郎(北九州市立医療センター 消化器内科)
共同演者 奈須 俊史(北九州市立医療センター 消化器内科), 三澤 正(北九州市立医療センター 消化器内科), 原口 和大(北九州市立医療センター 消化器内科), 杣田 真一(北九州市立医療センター 消化器内科), 井原 裕二(北九州市立医療センター 消化器内科), 豊島 里志(同病理)
抄録 【背景】食道病変に対するESDはその治療成績、合併症や長期予後については多数の報告は見られていない。【方法】当院では早期食道癌に対するESDの術前適応を、原則として周在性3分の2周以下で深達度EP、LPMとし、病理診断において、切除断端及び深達度、脈管侵襲の有無などにより根治度を判定し追加治療を行っている。当院では2003年8月から2007年9月18日において、食道病変57例に対しESDを行った。その内訳は食道癌;53例、dysplasia;4例であった。【成績】全57病変中、切除不能でESDを中止した4例(穿孔による呼吸状態の悪化;2例、線維化・深部浸潤による切除困難例;各1例)を除く53例全例に一括切除(93.0%(53/57))し得た。断端陽性となったのは導入初期8例目までの3症例で、いずれも切除技術が未熟であったための側方burningによるLM(+)のものであった。1例にAPCを追加し、2例は経過観察にて再発を認めない。術後経過については、病理診断にて深達度pEPもしくはpLPMの症例は全例経過観察にて再発を認めていない。57例中3例でpMM、5例でpSMであったが(いずれもVM-)、いずれの症例ともに追加手術は拒否され、pSMの4例に局所放射線照射追加した。追加放射線照射施行した1例に腰部硬膜内髄外への転移を認め手術及び放射線照射にて対応したが現在硬膜内多発転移を来たし、現在化学療法中である。その他の症例は現在再発を認めていない。脈管侵襲陽性であったのはpLPMの2例でly+を認めたが、患者の希望で追加治療せず、EUSなどで経過観察し、現在局所及び転移再発は認めない。切除不能であった3例はいずれも放射線(化学)療法とAPCにてCRを維持している。合併症に関しては、穿孔7例(12.3%)で後出血は認めなかった。【結論】57例中1例のみに遠隔転移を認め、1例が他病死されている以外再発は認めておらず、治療成績、経過とも良好な結果であった。適応拡大病変(pMM、pSM)に対するESD後の追加治療に関しては症例数が少ないため言及困難であるが、ESDは従来のEMRよりも過不足のない適切な追加治療、経過観察が可能となり、有用であると考えられた。
索引用語 食道, ESD