セッション情報 一般演題

タイトル 122:

急性肝障害を合併した神経性食思不振症の一例

演者 山路 卓巳(宮崎大学 医学部 消化器血液学)
共同演者 木許 恭宏(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 楠元 寿典(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 中村 憲一(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 原田 拓(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 三池 忠(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 田原 良博(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 蓮池 悟(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 永田 賢治(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 下田 和哉(宮崎大学 医学部 消化器血液学), 林 克裕(宮崎大学 医学部 医学教育改革センター)
抄録 【はじめに】神経性食思不振症(anorexia nervosa;AN)では、脂肪肝による肝障害を認めることが多いが、栄養開始後、稀にRefeeding syndrome(RS)として急性肝障害を合併することがあり注意が必要である。今回我々は、栄養開始後に低リン血症を伴う急性肝障害を発症し、補充により改善したANの一例を経験したので報告する。【症例】24歳、女性。2000年11月、食欲減退、不安、抑うつがあり、当院精神科でAN(163cm, 40kg, -31%)と診断され加療を受けたが摂食障害は改善せず、2007年3月に35kg、6月に32kgと体重は減少した。2007年8月16日鹿児島大学精神科を受診、30kg, -48.1%, AST 175, ALT 179, T-Bil 1.5, P 4.0, PT 81%で、食事摂取を指導された。薬剤治療は受けなかった。努めて食事摂取を行うも症状は増悪し歩行困難が出現したため、8月22日当院精神科に医療保護入院となった。入院時 29.6kg, BMI 11.3, -48.9%, BT 34.3度, AST 2372, ALT 1215, LDH 979, T-Bil 2.7, P 4.8, 脂肪肝や閉塞性黄疸は認めなかった。薬剤服用歴もなく、各種ウイルス肝炎や、その他の急性肝炎も否定的であった。入院後1200~1400kcal程度の食事とビタミン補充を行うも改善せず、8月29日に AST 5337, ALT 3945, LDH 1404, T-Bil 3.5, P 2.5, PT 54%と増悪した。栄養開始後の低リン血症を伴う RS による急性肝障害合併と判断し、8月30日からリン酸2カリウムによるリン補充、800kcal程度の食事制限を行ったところ、肝障害は 9月13日には AST 137, ALT 439, LDH 406, T-Bil 1.2, P 3.3,と速やかに改善した。 【結語】ANでは低栄養に伴う絶対的な微量元素やビタミン欠乏が存在し、栄養再開による組織活動性の亢進に伴いRSが出現する。栄養開始時は20~30kcal/kg程度から開始し、リン、ビタミン等の欠乏に十分な注意を払いながら管理することが必要である。
索引用語 神経性食思不振症, 肝障害