セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-45:

総胆管に穿破した膵管内乳頭状粘液性腫瘍の1例

演者 中添 悠介(長崎市立市民病院 外科)
共同演者 小原 則博(長崎市立市民病院 外科), 松尾 圭(長崎市立市民病院 外科), 大久保 仁(長崎市立市民病院 外科), 赤司 有史(長崎市立市民病院 外科), 北島 知夫(長崎市立市民病院 外科), 井上 啓爾(長崎市立市民病院 外科), 前田 潤平(長崎市立市民病院 外科), 山尾 拓史(長崎市立市民病院 内科), 入江 準二(長崎市立市民病院 病理科)
抄録 総胆管に穿破し、多量の粘液により閉塞性黄疸を来した膵管内乳頭状粘液性腫瘍(IPMT)の1例を経験したので報告する。 症例は74歳男性。主訴は黄疸。平成12年10月頃より、膵嚢胞性疾患を指摘されていた。平成18年7月、腹痛があり、CT検査にて膵嚢胞の増大を認めたため当院紹介となる。 血液生化学検査では著明な貧血と閉塞性黄疸(T-Bil 14.5mg/dl)を認めた。また発熱を認め、血液培養にてMRSAが検出された。 CT検査では膵頭部に8cm大の膵嚢胞を認め、総胆管は著明に拡張していた。ERCPでは膵管造影で膵嚢胞が描写され、さらに総胆管に造影剤が流入し、瘻孔形成を認めた。総胆管内は粘稠な粘液で充満しており、経乳頭的胆管ドレナージを施行した。以上よりIPMTが総胆管に穿破したため、粘稠な粘液による閉塞性黄疸と診断し、手術適応と判断した。 手術所見では膵頭部に嚢胞性腫瘍と著明に拡張した総胆管を認め、術中胆道鏡検査にて総胆管-膵嚢胞瘻が確認された。手術は幽門輪温存膵頭十二指腸切除およびリンパ節廓清術を施行した。切除標本では膵嚢胞、総胆管に粘稠な粘液の貯留を認めた。 病理組織学的所見では膵頭部に嚢麭性病変を認め、拡張した総胆管と瘻孔を形成していた。 膵嚢胞壁は粘液産生性高円柱上皮が乳頭状に増殖し、細胞異型が高く、上皮内癌と考えられた。一部は微小浸潤部も認め、IPMTから生じた腺癌と診断した。リンパ節転移や総胆管への浸潤は認めなかった。術後経過は良好で、術後1ヶ月後に退院した。術後1年経過した現在、再発の所見は認めていない。
索引用語 IPMT, 総胆管-膵嚢胞瘻