セッション情報 一般演題

タイトル 170:

盲腸軸捻転をきたした移動盲腸の2例

演者 榎田 智弘(済生会福岡総合病院 内科)
共同演者 船越 聖子(済生会福岡総合病院 内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院 内科), 淀江 賢太郎(済生会福岡総合病院 内科), 村田 篤彦(済生会福岡総合病院 内科), 宜保 淳也(済生会福岡総合病院 内科), 吉村 大輔(済生会福岡総合病院 内科), 明石 哲郎(済生会福岡総合病院 内科), 徳松 誠(済生会福岡総合病院 内科), 壁村 哲平(済生会福岡総合病院 内科), 内山 秀昭(済生会福岡総合病院 外科), 松浦 弘(済生会福岡総合病院 外科), 江原 道子(済生会福岡総合病院 病理), 中島 明彦(済生会福岡総合病院 病理), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科)
抄録 【症例】75歳女性、うつ病とパーキンソン病にて前医に通院中、前屈姿勢が増強し徐々に摂食困難となった。胃瘻造設目的で前医入院時に腹部膨満の増悪を認め、腹部単純CTにて腸管ガスの著明な貯留を認めた為、当科へ紹介転院となった。
【経過】当科入院当日、腹部単純X線写真で著明に拡張したガス像を認めたが、腹痛は認めなかった。また排便を認め、腸蠕動音は聴取可能であった為、抗うつ薬及び抗パーキンソン病薬による薬剤性麻痺性イレウスを疑い、絶飲食および輸液による保存的加療を開始した。入院2日目に腹痛が出現、腹部造影CTでは広範囲にわたり小腸拡張を認め、さらに腹部正中にair-fluid levelを形成する巨大な腸管拡張像を認めた。同部位の壁には造影効果の不良な部分を認め、虚血性変化が示唆された。緊急下部消化管内視鏡検査で右側結腸に、粘膜の収束を有した狭窄を認め、肛門側への脱落膜様変化を伴っていた。また逆行性注腸造影では狭窄部より口側への造影剤の漏出をわずかに認めるのみであった。以上の所見から結腸捻転による絞扼性イレウスと診断し、同日緊急手術となった。術中所見では、上行結腸回腸側の後腹膜への固定不良があり、上行結腸、盲腸および虫垂が一塊となって反時計回りに約3回転し、著明に拡張して暗赤色を呈していた。捻転を徒手的に解除するも色調は回復しなかった為、腸管壊死と判断し、同部位を含む右半結腸切除を施行した。術後経過は良好で術後18日目に退院となった。
【考察】移動盲腸はしばしば遭遇するが、その多くは無症状か稀に右下腹部の不快感や鈍痛などが認められる程度で、捻転を生じることは稀である。今回我々は、盲腸軸捻転を来たした移動盲腸の稀少な症例を経験したので、以前当科で経験した同様の1例も加え、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 移動盲腸, 腸軸捻転