セッション情報 シンポジウム1

タイトル S1-03:

当科におけるシクロスポリン持続静注療法の治療成績

演者 岸本 一人(琉球大学 医学部 光学医療診療部)
共同演者 外間 昭(琉球大学 第一内科), 金城 福則(琉球大学 医学部 光学医療診療部)
抄録 【はじめに】ステロイド抵抗性かつ重症の潰瘍性大腸炎(以下UC)に対し,シクロスポリン(以下CyA)の有効性が多数報告されている.今回,当科にてCyAを投与したUC8症例について,患者背景,CyA投与法により治療成績に相違があるか検討した.【方法】対象は2001年8月から2006年8月の5年間に,CyAを投与したUC8例(平均年齢41歳.男性5例,女性3例).CyAの持続投与量は1.5~4mg/kg/日で開始し、血中濃度300~400ng/mlに調整した.7~14日後に効果を判定し,有効例は経口投与に変更した.経口投与量は静注量の2倍量を目安に3~5mg/kg/日とした.【結果】患者背景として,重症度は重症5例,中等症3例.臨床経過は再燃緩解型6例,初回発作型2例.罹患範囲は全大腸炎型4例,左側大腸炎型4例.平均病悩期間は68.8ヶ月.CyA投与理由は,6例がステロイド抵抗性,1例がステロイド依存性,1例が副作用によるステロイド使用困難例であった.CyA持続静注による緩解例が5例(緩解導入率62.5%),無効で手術となった例が3例であった.緩解導入し得た5例のうち2症例は, 11ヵ月後, 47ヶ月後にそれぞれ再燃のため手術となり,最終的に5例が手術(手術回避率37.5%)となった.緩解群,無効群の両群間において,年齢,性別,重症度,臨床経過,罹患範囲,病悩期間,CRP,Hbの各々の臨床的背景および血中濃度,静注投与期間のCyA投与法に有意差は認められなかった.無効例3例のうち2例ではCyA投与前に巨大結腸症や大量出血の合併を認めており,これらの症例は早期に手術を考慮すべきであったと思われた.【まとめ】緩解導入率(短期治療成績)は62.5%,手術回避率(長期治療成績)は37.5%と従来の報告と比較しやや不良であったが,CyA無効3例中2例は巨大結腸症,大量出血を合併しており,このような例ではCyAに固執することなく早期に手術を考慮すべきと思われた.
索引用語 潰瘍性大腸炎, シクロスポリン