セッション情報 一般演題

タイトル 14:

門脈及び肝動脈両者を栄養血管とする大型肝細胞癌の1例

演者 宮崎 貴志(熊本大学 医学部 消化器外科)
共同演者 堀野 敬(熊本大学 医学部 消化器外科), 別府 透(熊本大学 医学部 消化器外科), 小森 宏之(熊本大学 医学部 消化器外科), 坂本 快郎(熊本大学 医学部 消化器外科), 佐藤 孝彦(熊本大学 医学部 消化器外科), 古橋 聡(熊本大学 医学部 消化器外科), 佐藤 伸隆(熊本大学 医学部 消化器外科), 澤山 浩(熊本大学 医学部 消化器外科), 増田 稔郎(熊本大学 医学部 消化器外科), 林 洋光(熊本大学 医学部 消化器外科), 岡部 弘尚(熊本大学 医学部 消化器外科), 上川 健太郎(済生会 熊本病院 消化器内科), 馬場 秀夫(熊本大学 医学部 消化器外科)
抄録 症例は67歳男性。肝硬変の診断で近医通院加療中、定期検査の腹部超音波で肝右葉後区域に最大径8cmの腫瘍を指摘された。CT、MRIなどの画像診断では典型像を示さず確定診断に至らなかったため、針生検を行ったところ中分化型肝細胞癌との診断に至り当科紹介となった。血管造影CTにて腫瘍は門脈、肝動脈双方の血管支配を受けていることが判明したため、先ず栄養供給源である門脈を塞栓して腫瘍の経門脈転移を予防し、更に門脈静脈シャントを塞栓する目的で経皮経肝門脈塞栓術を行い、その2週間後に肝動脈化学塞栓療法(TACE)を施行した。その後のフォローアップCTで肝動脈支配領域にviable HCCを認め、肝硬変の進行から血小板減少も認められたため、TACE及び部分的脾塞栓術を追加した。術後血小板数は著明に増加した。微熱、疼痛を認めたが鎮痛剤内服にてコントロール可能であったため一旦退院となった。初診時HBs抗原陽性、HBs抗体陽性、HBe抗原陰性、HBe抗体陽性、HCV抗体陰性であり、腫瘍マーカーはPIVKA-II 3670mAU/ml、AFP 374.9と高値であったが加療後PIVKA-II 2595mAU/ml、AFP 199.8と低下した。TACE後一過性の腎機能不全に至ったためICU入室として持続式血液浄化を開始したところ次第に腎機能は改善した。初診時より多発する骨転移を認め、難治性腹水を穿刺したところ細胞診陽性であった。腫瘍を指摘されてから約1年9ヶ月生存例であり、特異な血管支配形態をとる稀な肝細胞癌を経験したので報告する。
索引用語 肝細胞癌, TACE