セッション情報 一般演題

タイトル 106:

胸腹部大動脈瘤に合併した狭窄型虚血性小腸炎の一例

演者 池田 憲治(福岡大学 医学部 消化器内科)
共同演者 江口 浩一(福岡大学 医学部 消化器内科), 福島 公香(福岡大学 医学部 消化器内科), 阿部 光市(福岡大学 医学部 消化器内科), 志賀 洋(福岡大学 医学部 消化器内科), 渡邉 隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 酒井 真志(福岡大学 医学部 消化器内科), 藤枝 友子(福岡大学 医学部 消化器内科), 森田 勇(福岡大学 医学部 消化器内科), 冨岡 禎隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 西村 宏達(福岡大学 医学部 消化器内科), 前田 和弘(福岡大学 医学部 消化器内科), 青柳 邦彦(福岡大学 医学部 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 消化器内科), 緒方 賢司(福岡大学 医学部 消化器外科), 石井 文規(福岡大学 医学部 消化器外科), 山下 裕一(福岡大学 医学部 消化器外科), 二村 聡(福岡大学 医学部 病理学), 藤田 英治(川浪病院)
抄録 症例は79歳男性。2005年10月近医にて胸腹部大動脈瘤を指摘され、以後外来にてfollowされていた。2006年12月下旬に腹痛・下痢・嘔吐のため近医に入院した。上・下部消化管内視鏡検査では異常所見なく、安静のみで症状軽快したため退院となった。しかし、2007年2月16日再び症状の増悪を認め、イレウスの診断で入院となり、腹部エコーおよびCTにて回腸に約20cmにわたる狭窄および口側拡張を認めた。また、腹部エコーでは大動脈瘤内に壁在血栓を認めた。精査目的で2月22日当科転院となった。入院後イレウス管からの造影検査で、回腸に約20cmの狭窄を認めた。その後も保存的に継続加療行なったが、イレウス症状を繰り返し、CT検査でも狭窄の改善がみとめられなかったため、3月29日小腸部分切除術施行。術中所見では回盲部より約60cmの回腸に26cmにわたる管状狭窄を認めた。同部位ではアーケードからの血流はあるが、中枢からの血管拍動は全く確認できず、血栓の関与が疑われた。切除標本の肉眼所見では全周性かつ区域性に求心性狭窄を呈し、腸壁は高度に肥厚していた。病理組織学的には粘膜固有層の肉芽組織化と粘膜下層の高度かつ広汎な線維化と線維筋症を認めた。線維化は腸間膜にまで及んでいた。血栓形成は確認できなかったが、小腸壁内に担鉄細胞を認め、虚血性小腸炎の慢性狭窄期に合致する組織像であった。本疾患は虚血性大腸炎に比してまれであり、一般的に小腸の検査は困難なことから、成因が不明な場合も多い。本症例では胸腹部大動脈瘤内の血栓が虚血性小腸炎の発症に関与したものと推測された。
索引用語 虚血性小腸炎, 大動脈瘤