セッション情報 一般演題

タイトル 97:

腹部CTにて胆嚢十二指腸瘻を確認し、診断可能であった胆石イレウスの一例

演者 亀井 宏治(大阪府済生会茨木病院 消化器内科)
共同演者 柿木 崇秀(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 坂本 直哉(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 藤山 徹(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 跡地 春仁(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 立田 浩(大阪府済生会茨木病院 消化器内科), 井上 仁(大阪府済生会茨木病院 外科), 辰巳 嘉章(大阪府済生会茨木病院 外科), 植田 直樹(大阪府済生会茨木病院 外科), 西村 一雅(大阪府済生会茨木病院 放射線科)
抄録 症例は60歳 男性。既往歴では10年前に胆石症を指摘されたことがあるが、特に症状なく経過観察となっていた。H19年9月30日頃より心窩部痛を自覚し10月3日近医を受診した。上部消化管内視鏡検査を施行したが、特に異常を認めず、経過観察していた。しかし、症状の改善認めず、10月4日心窩部痛に加え腹部膨満感も自覚し、徐々に増強。10月4日午後からは嘔気嘔吐を認めるようになり、10月4日午後7時すぎ当院救急外来を受診した。腹部膨満感、嘔気嘔吐、上腹部痛あり、腹部CTを施行したところ、小腸内に多量の液体内容物を認め、イレウスと考えた。また、pneumobilia、胆嚢十二指腸瘻も認め、小腸内5cm大の石灰化物質を認めた。以上より判断して、胆嚢十二指腸瘻から胆石が十二指腸に落下し、その後、小腸の途中で嵌頓したことによる胆石イレウスと診断した。来院時、血液検査はWBC10500 T-Bil1.3 AST58 ALT134 γ-GTP299 ALP429 BUN44.2 Cr1.0 CK343 AMY40 CRP5.4で腸管浮腫著明、腸管内容物多量にてイレウス管を留置し、炎症が落ち着いてから後日手術することとなった。同日、経鼻にてイレウスチューブを挿入した。黄色廃液500ml認め、150cmで固定した。絶食点滴加療施行した後、10月9日小腸切開胆石摘除術、胆嚢摘出術を施行した。treizt靭帯から短縮で約100cmのところに径6cmx3cmx3cmの胆石を認めた。treiztから40cmのところが腸管浮腫軽度であったため、ここを切開し結石を除去した。術後経過良好で術後7日より経口摂取開始し、術後16日目に軽快退院となった。胆石イレウスは比較的まれな症例であり、今回の症例のように、来院時に腹部CTで胆嚢十二指腸瘻がはっきりと確認できて、診断し得た症例は少なく、興味ある症例であり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆石, イレウス