セッション情報 シンポジウム1(肝臓学会・消化器病学会合同)

分子標的治療の限界を超える新しい肝癌治療法の開発

タイトル 肝S1-12:

TACE不応進行肝細胞癌に対する少量ソラフェニブとシスプラチン・ミリプラチン併用動注療法

演者 濱田 晃市(総合南東北病院・消化器科)
共同演者 斎藤 聡(虎の門病院・肝臓センター), 今井 茂樹(総合南東北病院・放射線診断科)
抄録 【はじめに】3回以上のTACEにても病勢コントロール不能例をTACE不応進行肝細胞癌とし、ソラフェニブの適応と考えた。既報ではソラフェニブ単独では治療効果が3ヶ月の生存期間延長であり、治療効果は十分とはいえない。またミリプラチンが使用可能となるも、TACE不応例は動脈の荒廃も進み、ミリプラチン動注が十分できない可能性が高い。そこで、TACE不応進行肝細胞癌に対しソラフェニブ併用動注療法には2つの異なる白金製剤併用とし、少量ずつの組み合わせで副作用をより低減しつつ、良好な治療効果が得られるか検討した。【対象と方法】対象はTACE不応進行肝細胞癌9例。全例で先行治療のTACE時にはシスプラチンを併用。年齢は56~73歳(中央値67歳)、男女比7:2、C型8例、B型1例で、全例肝硬変を合併。Child-Pughスコア5点5例、6点4例。肝癌はStageIII:3例、IVA:4例、IVB:3例。ソラフェニブ400mgで導入、副作用があれば200mgに減量。その後シスプラチンとミリプラチン併用TAIを施行。両治療を3~6カ月毎に交互に施行した。腫瘍マーカーおよび定期的なCT及びMRI検査でフォローアップ。【結果】全症例のMSTは14カ月であり、2例でPR、5例でSD、2例でPD。PR症例はStage IVA、AFP 3.5 ng/ml、PIVKA-II 2456 AU/lとStageIII、AFP:75ng/ml、PIVKA II:118AU/l、いずれも現時点では造影CTおよび造影MRI検査では腫瘍の造影効果なく、腫瘍マーカーも正常値で経過。副作用としては1例に皮湿を認めソラフェニブの一時休薬し、再開。もう1例では開始4カ月後にChild-Pughスコア6→8点と悪化がみられ、肝機能低下にてソラフェニブを中止し、TAIのみ継続使用している。【結論】コントロールスタディではないが、ソラフェニブ単独の報告と比較して、良好な治療成績が得られ、TACE不応例に対する少量ソラフェニブとシスプラチン・ミリプラチン併用動注療法は有用な治療方法である可能性が示唆された。 本治療は肝細胞癌に対するシスプラチン併用ミリプラチン懸濁液による肝動脈化学塞栓療法の第Ⅰ相臨床試験として、医師主導臨床試験として倫理委員会承認のもと、患者への十分なインフォームドコンセントを得て施行した。
索引用語 肝細胞癌, ソラフェニブ