セッション情報 パネルディスカッション1

タイトル 研21:

当院における食道異物に対する緊急内視鏡の検討

演者 鈴木 博子(鹿児島市医師会病院 消化器内科)
共同演者 岡江 耕二郎(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 小牧 祐雅(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 鉾之原 英(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 中武 信純(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 伊東 徹(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 宇都宮 民治(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 下川原 尚人(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岩切 裕二(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 内園 均(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 山口 淳正(鹿児島市医師会病院 消化器内科)
抄録 【目的】日常臨床で上部消化管異物症例に遭遇することは稀ではない。今回当院における食道異物の特徴と治療法、合併症について検討した。【対象】対象は過去8年間(2000年~2007年)に当院にて緊急内視鏡的食道異物摘出術を施行した36症例である。異物の種類、摘出方法、合併症、患者背景について検討した。【結果】男性11例、女性25例、年齢は9歳以下3例、10歳~29歳1例、30~49歳4例、50~69歳8例、70歳以上20例と高齢者に多かった。患者背景で、特に問題となる基礎疾患としては、認知症例5例、術後狭窄例6例、食道アカラシア1例、パーキンソン病1例、小児脳性麻痺1例であった。異物の内訳は食物塊12例、PTPシート10例、魚骨6例、歯・差し歯4例、硬貨2例、ゴルフマーカー1例、錠剤1例であった。摘出方法は各種把持鉗子、バスケットを主に使用し、異物の形態に応じて安定した状態で把持できるものを選択した。損傷性の高い異物に対しては、粘膜の損傷を防ぐためにソフトキャップを主に使用した。重篤な合併症として消化管穿孔・縦隔気腫を起こした例は1例、軽度粘膜障害を引き起こした例は5例みられたが、全例保存的に加療し得た。【結論】当院における内視鏡的食道異物摘出術36例について報告した。それぞれの症例に対し、十分な問診とX線検査などを行い、異物の種類、存在部位を把握し、摘出の適応を考慮した上で慎重な対応が必要である。
索引用語 食道異物, 緊急