セッション情報 パネルディスカッション9(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

原因不明消化管出血の診断と治療―顕在性(Overt) vs 潜在性(Occult)

タイトル 消PD9-13:

当院における原因不明消化管出血(OGIB)症例の検討

演者 岡本 純一(大阪市立大大学院・消化器内科学)
共同演者 杉森 聖司(大阪市立大大学院・消化器内科学), 富永 和作(大阪市立大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】OGIB症例を顕在性(Overt)と潜在性(Occult)に分け、カプセル内視鏡(CE)、バルーン内視鏡(BAE)による出血所見率、診断率などについて検討した。【方法】2007年5月から2011年1月の間に当院でCEまたはBAEで精査をしたOGIB435症例について検討した。【成績】OGIB症例中、ongoing Overt: 76例、previous Overt:240 例、Occult: 119例であった。出血として確認された有所見率は、26.3%(20/76)、13.3%(32/240)、20.2%(24/119)であった。CEで出血が確認された割合は、27.1 % (13/48)、12.4%(25/201)、17.6%(18/102)であった。 BAEで出血が確認された割合は23.9%(11/46)、13.7%(14/102)、22.5%(11/49)であった。最終の確定診断率は、52.6%(40/76)、57.1%(137/240)、63.9%(76/119)であった。病態別にCEで診断した確率は潰瘍性病変では70%、76.1%、73.3% 、血管性病変では64.2%、76.7%、84.2%、腫瘍性病変では40%、76.5%、95%であった。一方BAEで診断した確率は潰瘍性病変では50%、38.6%、28.9%、 血管性病変では50%、46.7%、68.4%、腫瘍性病変では80%、42.4%、40%であった。病態別の症例の割合はongoing Overtでは、びらん・潰瘍性病変:血管性病変:腫瘍性病変=26.3%:18.4%:13.2%、previous Overtでは36.7%:12.5%:14.2%、Occultでは37.8%:16.0%:16.8%であった。【結論】当院での検討ではongoing OvertがCE、BAEどちらの検査法においても出血が確認される割合が他のOGIBより高く、最終的な確定診断率はOccultが他のOGIBより高かった。
索引用語 消化管出血, 小腸