セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
22:左心房カテーテル・アブレーション後に生じた急性胃拡張症
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演者 |
松本 隆之(済生会泉尾病院 消化器内科) |
共同演者 |
井上 肇一(済生会泉尾病院 消化器内科), 高橋 悠(済生会泉尾病院 消化器内科), 芝野 佳代(済生会泉尾病院 消化器内科), 野村 正晃(済生会泉尾病院 消化器内科), 入江 貴雄(済生会泉尾病院 消化器内科) |
抄録 |
循環器領域で、カテーテル・アブレーションは薬物療法に抵抗性の頻拍性不整脈に対する治療として標準化されつつある。以前は限られた施設で施行されていたが、優れた治療成績が報告されるにつれて急速に普及しつつある。合併症として心タンポナーデなどが報告されている。稀ではあるが治療に難渋する偶発症として心房細動を治療する際に生じる急性胃拡張がある。発症の機序として左房後壁を高周波カテーテルで焼灼する際に、隣接した傍食道迷走神経を熱変性させると考えられる。症例の多くは可逆性で、絶食、輸液と経鼻胃管による減圧などの保存的治療で軽快の経過をたどる。一方、他施設で外科手術を必要とした例も報告され、胃内容の誤嚥による肺炎や、呼吸、循環障害、胃破裂をきたす恐れもある。セロトニン作動薬、抗ドパミン薬などの消化管運動調整剤も投与されるが、開腹術後、脊椎損傷後に生じる胃排出障害に対してと同様に効果は不十分である。このため消化管生理活性ペプチドのアゴニストを併用することの有効性が報告されており当院でも症例により投与を行っている。最近の症例を含む当院で経験した症例について文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
急性胃拡張症, 左心房カテーテル・アブレーション |