セッション情報 |
パネルディスカッション10(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
消化管GIST治療の進歩と長期予後
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タイトル |
外PD10-4:胃GIST当院切除例におけるmodified-Fletcher分類、Contour mapによる再発リスクの検証
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演者 |
後藤田 直人(国立がん研究センター東病院・上腹部外科) |
共同演者 |
木下 敬弘(国立がん研究センター東病院・上腹部外科), 土井 俊彦(国立がん研究センター東病院・消化管内科) |
抄録 |
【背景】GISTのリスク分類としてはFletcher分類、Miettinen分類などが用いられているが、昨年EJSOよりGISTの原発臓器、破裂の有無などをリスク因子として加味されたmodified-Fletcher分類(MF分類)、さらに再発率を予測するContour mapもLancet Oncologyより報告された。【目的】新しいGISTリスク分類による再発率予測の妥当性について当院切除例より検証する。【対象および方法】2001年1月から2012年1月まで当院における胃GIST初回切除例について病理組織学的所見、再発・予後の検討を行った。胃癌、食道癌に対し手術を行い切除検体中に病理組織検査にて偶発的に指摘された10mm以下の胃GIST例、他院切除後の再発(追加)切除例は今回の検討では除外し計50例を対象とした。 【結果】平均年齢65歳、男女比は約1:1(23:27)。平均腫瘍径は6.1cm、50例中1例は術前より腫瘍破裂を認めた。その1例も含め再発例は6例(12%)、全生存期間は3.4年、無再発期間は2.5年(いずれも中央値)であった。MF分類・超低リスク:2例、低リスク:23例、中リスク:9例、高リスク:16例であった。再発を認めた6例中5例は高リスク群、1例は低リスク群であった。さらにContour mapによる予測再発率は0~10%: 11例(0)、10~20%: 15例(1例、6.7%)、20~40%: 13例(0)、40~60%: 3例(0)、60~80%: 3例(2例、66.7%)、80~90%: 2例(0)、90~100%: 3例(3例、100%)であった(括弧内は再発例、再発率)。【考察】MF分類では低リスク群に相当する1例が再発を認めたがContour mapによる予測再発率は当院切除例の再発率とよく合致していた。さらにはMF分類・中リスク9例中、Contour mapでの再発リスク40%以下は7例認めた。術後補助療法を考慮する際、本検討結果からContour mapを参考に60%以上の再発リスクを有する症例に行うことで補助療法の対象としてよりよい選別がなされるのではないかと考えられた。 |
索引用語 |
胃GIST, リスク分類 |