セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 14:家族性低βリポ蛋白血症に非アルコール性脂肪性肝炎を合併した一例 |
演者 | 吉川 真太郎(千葉大学 医学部 腫瘍内科学) |
共同演者 | 米満 裕(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 新井 誠人(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 神田 達郎(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 藤原 慶一(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 深井 健一(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 金井 文彦(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 今関 文夫(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 横須賀 收(千葉大学 医学部 腫瘍内科学), 武城 英明(千葉大学大学院 医学研究院 臨床遺伝子応用学) |
抄録 | 【はじめに】家族性低βリポ蛋白血症(FHBL)は低脂血症を呈す稀な疾患であり脂肪肝の合併が知られている。今回我々はNASHに進展した極めて稀な症例を経験したので報告する。【症例】58歳女性,主婦。既往歴に特記事項なし。飲酒歴、喫煙歴ともになし。家族歴として血縁者に低コレステロール血症を指摘されている。【現病歴】1997年より近医で肝機能障害指摘、脂肪肝として経過観察されていたが、肝機能障害が持続するため2002年10月15日当院を紹介。この時点でアルコール、薬物、B型、C型ウイルス肝炎は否定的で、抗核抗体も陰性で自己免疫性肝炎も否定的であった。身長160cm、体重48kg、BMIは18.9で体型は痩せ形、血中総コレステロールは36mg/dl、 LDLコレステロール 3mg/dlと著明な低値を示していた。AST、ALTは60から70IU/Lの間であった。御本人の同意が得られたため、2007年10月2日肝生検を試行した。【肝組織像】hematoxylin-eosin(H-E)染色の弱倍率像で小葉構造は保たれており、脂肪滴の沈着が認められた。HE染色とAZAN染色、銀染色の中拡大像で細胞周囲の線維化(pericellular fibrosis)散見され、風船様変化、Malloy小体を認めた。飲酒歴がないことより非アルコール性脂肪肝炎と診断された。【考察】本例の低LDL血症の原因は、常染色体優性遺伝形式を呈し、遺伝子検索の結果、家族性無βリポ蛋白血症の原因遺伝子であるMTP遺伝子に異常が認められ無かったため、FHBLと推定された。FHBLに合併した脂肪肝がNASHに進展した報告例は数例しかなく、極めて稀な症例と考えられるため報告する。 |
索引用語 | 家族性低βリポタンパク血症, 非アルコール性脂肪肝炎 |