セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 17:胆道出血による疝痛発作を契機に発見された肝細胞癌の1例 |
演者 | 亀崎 秀宏(埼玉県厚生連 熊谷総合病院 内科) |
共同演者 | 斉藤 雅彦(埼玉県厚生連 熊谷総合病院 内科), 石川 武志(埼玉県厚生連 熊谷総合病院 内科), 門野 源一郎(埼玉県厚生連 熊谷総合病院 内科), 土合 克巳(埼玉県厚生連 熊谷総合病院 内科), 松井 真理子(埼玉県厚生連 熊谷総合病院 内科), 五月女 直樹(埼玉県厚生連 熊谷総合病院 内科) |
抄録 | 【症例】58歳男性。既往は特にない。心窩部痛・黄疸にて当科受診。急性胆管炎の診断にて入院。緊急内視鏡にて胆道出血を確認。ESTを施行しEBDチューブを留置した。単純CTでは肝内にSOLを認めなかったが、ダイナミックCTでは、肝S7-8にφ15mmの、また、S7にびまん性のwash outされる病巣を認めた。AFP 3451.0ng/ml, PIVKA-2 774mAU/mlと高値であり、肝細胞癌と診断した。ウイルスマーカーや免疫データは全て陰性で、アルコール摂取歴や肥満歴もなく、病因の特定はできなかった。慢性肝炎や肝硬変を示唆する所見もなかった。癌治療と止血を兼ねて、CDDPのlipiodol suspensionとゼラチン粒にて経カテーテル肝動脈化学塞栓療法を施行。術後、胆嚢炎や肝膿瘍を発症も、保存的に軽快した。貧血の進行もなく、3ヶ月後、腫瘍マーカーは AFP 6.0ng/ml, PIVKA-2 25mAU/mlと正常化した。半年経過した現在も制癌されている。経過中、糖尿病を指摘され、背景にNASHが存在することも疑われ、後日、肝生検を施行した。門脈域の線維性拡大を認め、一部は架橋線維化の可能性も考えられた。脂肪変性は軽度であるが、NASHの可能性も示唆された。 【結語】胆道出血は、肝内外の胆道の機械的損傷や各種疾患による組織損傷が成因となる。胆管・胆嚢疾患に限らず、肝実質の外傷・続発性肝壊死・肝血管腫・肝悪性腫瘍なども胆道出血の鑑別として考慮する必要がある。 |
索引用語 | 胆道出血, 肝細胞癌 |